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CIVIL PROCEDURE

民事訴訟法の論点一覧 全45論点

民事訴訟法の論点解説では、処分権主義・訴訟物、弁論主義、証明責任と二段の推定、既判力(客観的・時的・主観的範囲)、訴訟上の和解、複数請求・多数当事者訴訟、上訴まで、論文で問われる論点を定義→趣旨→規範→処理手順の順で整理しています。民訴は定義と趣旨の正確さが得点に直結する科目であるため、答案にそのまま使える定式を中心に構成しました。

ワシミミズク

第1章 訴え

第2章 審理

第3章 証拠

証明責任とは、事実が真偽不明の場合に当事者が受ける不利益をいう。証明責任の分配は法律要件分類説により、権利の発生を主張する者が権利根拠規定の要件事実を、これを争う者が権利障害・権利滅却・権利阻止規定の要件事実を証明する。二段の推定とは、文書の印影が本人の印章によって顕出されたときに本人の意思に基づく押印を推定し(一段目)、228条4項により文書の真正な成立を推定する(二段目)という処理である。証明責任の分配はほぼ全年度で問われ、二段の推定は平成23・24・27年、令和元・3・5・6年に出題されており、証拠法の中でも最も確実に押さえるべき論点である。答案では、まず問題となる事実が誰の証明責任に属するかを法律要件分類説で確定し、次に法律上の推定(証明責任の転換)と事実上の推定(経験則による推定で転換なし)を区別する。二段の推定では、一段目が「印鑑は通常厳重に保管される」という経験則に基づく事実上の推定であり、二段目が228条4項の法定証拠法則であることを明示し、反証として一段目には印章の盗用・冒用、二段目には白紙の悪用・文書作成後の改ざんといった事情を問題文から拾う。文書提出義務では220条4号の一般義務を原則としつつ、自己利用文書(最決平11.11.12)や職業の秘密文書(最決平19.12.11)の除外事由を判例の定義に即して検討し、不提出の効果(224条)まで書く。よくあるミスは、証明責任と証拠提出責任を混同すること、二段の推定の一段目と二段目で推定の性質(事実上か法律上か)を書き分けないこと、自己利用文書の判例の定義を省略して「内部文書だから」と結論を急ぐことである。

Q証明責任の分配はどう決まる?+

法律要件分類説による。権利の発生を主張する者は権利根拠規定の要件事実を、これを争う者は権利障害・権利滅却・権利阻止規定の要件事実をそれぞれ証明する。証明責任とは、事実が真偽不明の場合に当事者が受ける不利益をいう。

Q二段の推定とは?+

文書の印影が本人の印章によって顕出された場合、印鑑は厳重に保管されるという経験則から本人の意思に基づく押印と推定し(一段目)、本人の意思に基づく押印があれば228条4項により文書の真正な成立を推定する(二段目)という処理である。

Q二段の推定に対する反証はどうする?+

一段目の推定に対しては印章の盗用・冒用、押印の困難・不自然さを、二段目の推定に対しては白紙の悪用、文書作成後の改ざんといった事情を主張して推定を覆す。推定は経験則に基づくものなので、これらの事情が認められれば本人の意思に基づく押印とはいえなくなる。

Q自己利用文書とは何か?+

専ら内部の者の利用に供する目的で作成され外部に開示することが予定されていない文書で、開示により個人のプライバシー侵害や団体の自由な意思形成の阻害など所持者に看過し難い不利益が生ずるおそれがあるものをいい、特段の事情がなければ提出義務を負わない(最決平11.11.12)。

第4章 訴訟の終了

既判力とは、前訴確定判決の判断内容が後訴に対して有する拘束力をいう。その趣旨は、紛争の蒸し返しを防止し紛争解決の終局性を保持して訴訟経済を図るとともに、法的安定性を確保することにある。既判力の客観的範囲は平成23年から令和5年まで毎年出題され、時的限界は平成24・26・28年、令和2・4年、主観的範囲は平成25・27・29年、令和元・3・5年に問われており、民訴法論文で最も重要な分野である。答案では、既判力の処理手順を固定して書く。①生じる範囲(客観的範囲)は「主文に包含するもの」(114条1項)であり訴訟物の存否の判断に生じ、理由中の判断には原則生じないが相殺の抗弁は例外(114条2項)、②及ぶ範囲(主観的範囲)は当事者(115条1項1号)と口頭弁論終結後の承継人等、③作用する場面は前訴と後訴の訴訟物が同一・先決・矛盾の関係にある場合、④作用の内容は積極的作用(後訴裁判所は矛盾する判断ができない)と消極的作用(当事者の矛盾する主張は排斥される)である。時的限界では基準時が事実審の口頭弁論終結時であることを示し、基準時後の形成権行使については取消権は遮断、相殺権は遮断されない(最判昭40.4.2)、建物買取請求権も遮断されない(最判平7.12.15)という類型別の処理を引用する。一部請求では明示があれば訴訟物は一部に限定され(最判昭37.8.10)、残部請求は信義則で遮断されうる(最判平10.6.12)。よくあるミスは、既判力の処理手順を飛ばして「蒸し返しだから遮断される」と結論を急ぐこと、理由中の判断に既判力が生じないことを書かずに争点効や信義則に飛ぶこと、一部請求の明示の有無で訴訟物の範囲が変わる点を混同することである。

Q既判力とは何か?+

前訴確定判決の判断内容が後訴に対して有する拘束力をいう。趣旨は紛争の蒸し返し防止・紛争解決の終局性・訴訟経済・法的安定性の確保にあり、当事者に手続保障が及んだことが実質的根拠である。客観的範囲は主文に包含するもの(114条1項)に限られる。

Q既判力の基準時後に取消権や相殺権を行使できる?+

基準時(事実審の口頭弁論終結時)前に取消事由が存在したのに行使しなかった取消権は遮断される(最判昭55.10.23)。相殺権は訴訟物とは別個独立の抗弁であり基準時後でも遮断されない(最判昭40.4.2)。建物買取請求権も遮断されない。

Q一部請求の後に残部請求はできる?+

一部請求であることが明示されていれば訴訟物はその一部に限定され、残部請求は既判力に反しない(最判昭37.8.10)。ただし一部請求が棄却された後の残部請求は、特段の事情のない限り信義則に反し許されない(最判平10.6.12)。明示がなければ既判力は債権全体に及ぶ。

Q既判力が作用するのはどんな場面?+

前訴の訴訟物と後訴の訴訟物が同一・先決・矛盾のいずれかの関係にある場合である。作用の内容は、後訴裁判所が前訴判断と矛盾する判断をできない積極的作用と、当事者の矛盾する主張が排斥される消極的作用の二つに分けて書く。

第5章 複数請求・多数当事者訴訟

第6章 上訴・再審