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CIVIL PROCEDURE

既判力の主観的範囲(115条)

既判力出題年度:平成25・27・29・令和元・3・5

規範(判例・通説の定式)

【規範】既判力は「当事者」(115条1項1号)に及ぶほか、口頭弁論終結後の承継人(同3号)にも及ぶ。「承継人」とは、判決の基礎となった訴訟物たる権利・法律関係(またはその目的物についての地位)を、口頭弁論終結後に前訴当事者から承継した者をいい、包括承継人のほか特定承継人(売買・贈与等による取得者)も含む。

補足

【承継人と時系列】①訴訟係属前の承継人=承継人自身を当事者として訴えればよく、承継の問題は生じない(係属後に判明したら別訴を提起して弁論の併合を促すのみ。主観的追加的併合は判例上否定)。②係属後・口頭弁論終結前の承継人=訴訟承継の問題。参加承継(49条1項→47条準用→40条)、引受承継(50条1項→41条準用→39条、共同訴訟人独立の原則)。③口頭弁論終結後の承継人=既判力の拡張(115条1項3号)で処理し、訴訟承継は不要。

【固有の抗弁】承継人が善意取得・即時取得・対抗要件具備などの固有の抗弁を有する場合、既判力は及ぶが、固有の抗弁の主張は前訴の訴訟物についての判断と矛盾しないため遮断されない(形式説)。答案では「既判力は及ぶ。しかし固有の抗弁は遮断されない」と二段で書く。

【問題提起の作法】「Zは115条1項3号の『口頭弁論終結後の承継人』に当たり既判力が及ぶか」と提起し、承継の時期(終結の前後)と承継の対象(訴訟物たる権利か目的物の地位か)を順に認定する。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    本件で既判力の主観的範囲が問題となる旨を、条文を引用して1〜2文で提起する。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q「既判力の主観的範囲」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成25年・平成27年・平成29年・令和元年・令和3年・令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q既判力とは何か?+

前訴確定判決の判断内容が後訴に対して有する拘束力をいう。趣旨は紛争の蒸し返し防止・紛争解決の終局性・訴訟経済・法的安定性の確保にあり、当事者に手続保障が及んだことが実質的根拠である。客観的範囲は主文に包含するもの(114条1項)に限られる。

Q既判力の基準時後に取消権や相殺権を行使できる?+

基準時(事実審の口頭弁論終結時)前に取消事由が存在したのに行使しなかった取消権は遮断される(最判昭55.10.23)。相殺権は訴訟物とは別個独立の抗弁であり基準時後でも遮断されない(最判昭40.4.2)。建物買取請求権も遮断されない。

Q一部請求の後に残部請求はできる?+

一部請求であることが明示されていれば訴訟物はその一部に限定され、残部請求は既判力に反しない(最判昭37.8.10)。ただし一部請求が棄却された後の残部請求は、特段の事情のない限り信義則に反し許されない(最判平10.6.12)。明示がなければ既判力は債権全体に及ぶ。

Q既判力が作用するのはどんな場面?+

前訴の訴訟物と後訴の訴訟物が同一・先決・矛盾のいずれかの関係にある場合である。作用の内容は、後訴裁判所が前訴判断と矛盾する判断をできない積極的作用と、当事者の矛盾する主張が排斥される消極的作用の二つに分けて書く。