CRIMINAL LAW
共同正犯の射程(共同正犯の錯誤)
共同正犯の射程は、刑法(共犯)の論点です。共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者にもその罪責が及ぶか。共同正犯の射程が問題となる。 判例・通説の規範は「共同正犯の各人は「共謀の射程」の範囲内で罪責を負う。共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者には共謀の範囲内で罪責が及ぶにとどまる。」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成23年・平成25年・平成27年・平成29年などに問われています。
問題の所在
共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者にもその罪責が及ぶか。共同正犯の射程が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
共同正犯の各人は「共謀の射程」の範囲内で罪責を負う。共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者には共謀の範囲内で罪責が及ぶにとどまる。
共謀の射程の判断は、当初の共謀の内容、逸脱行為の態様、逸脱行為と共謀内容との関連性、他の共犯者による逸脱行為の予見可能性等を考慮して判断する。
あてはめのポイント
窃盗の共謀→実行犯が強盗を行った場合:他の共犯者には窃盗の限度で共同正犯が成立し、強盗の部分は実行犯の単独犯。ただし、強盗に発展する可能性が十分予見可能な状況であった場合には、強盗の共同正犯が認められうる。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者にもその罪責が及ぶか。共同正犯の射程が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者にもその罪責が及ぶか。+
共同正犯の各人は「共謀の射程」の範囲内で罪責を負う。共犯者の一人が共謀の範囲を超えた犯罪を実行した場合、他の共犯者には共謀の範囲内で罪責が及ぶにとどまる。
Q「共同正犯の射程」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成23年・平成25年・平成27年・平成29年・令和元年・令和3年・令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q共謀共同正犯の成立要件は?+
①共謀(意思の連絡)、②共謀に基づく一部の者の実行行為、③正犯意思(正犯性)が必要である。正犯性は犯行の動機・経緯、犯罪計画の立案や指示などの役割、利益の帰属、他の共犯者との関係等を総合し、自己の犯罪として行ったといえるかで判断する。
Q共犯からの離脱はどんな場合に認められる?+
着手前は、他の共犯者に離脱の意思を表明し了承を得て心理的因果性を遮断すれば足りる。着手後は、意思表明と了承に加え、自己の行為が生じさせた物理的・心理的因果性を除去する積極的な行為が必要であり、結果との因果関係を遮断しなければ離脱は認められない。
Q承継的共同正犯で後行者はどこまで責任を負う?+
原則として加担後の行為についてのみ責任を負い、加担前の先行者の行為の結果には責任を負わない。先行者の行為・結果を積極的に利用する意思で加担した場合は例外的に責任を負いうるが、強盗致傷の傷害結果は承継されない(最決平24.11.6)。