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CRIMINAL LAW

2項強盗殺人罪(240条後段)と早すぎた構成要件実現・「暴行」の意義

共同正犯(60条)出題年度:令和2

2項強盗殺人罪と早すぎた構成要件実現・「暴行」の意義は、刑法(共犯)の論点です。財産上の利益を強取するため被害者を殺害しようと計画した行為者が、計画上の第2行為(直接の致死行為)に先行する第1行為(薬剤投与)によって被害者を死亡させた場合、2項強盗殺人罪(240条後段)が成立するか。早すぎた構成要件実現と「暴行」の意義が問題となる。 判例・通説の規範は「【早すぎた構成要件実現の処理(最決平16.3.22の応用)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和2年に問われています。

問題の所在

財産上の利益を強取するため被害者を殺害しようと計画した行為者が、計画上の第2行為(直接の致死行為)に先行する第1行為(薬剤投与)によって被害者を死亡させた場合、2項強盗殺人罪(240条後段)が成立するか。早すぎた構成要件実現と「暴行」の意義が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

【早すぎた構成要件実現の処理(最決平16.3.22の応用)】

①第1行為が第2行為を確実かつ容易に行うために必要不可欠であること、②第1行為成功後、第2行為の実行に障害となる特段の事情がないこと、③第1行為と第2行為が時間的場所的に近接していること、を総合判断する。クロロホルム事件との比較では、使用した薬物の性質(致死性の有無)や時間的場所的近接性(別の場所から薬剤を取りに戻る必要性の有無)が重要な判断要素となる。

【2項強盗罪の「暴行」の意義】

2項強盗罪(236条2項)の「暴行」(有形力の行使)について、薬剤を混入した飲料を飲ませた行為が「暴行」に当たるかが問題となる。

・肯定説①:錯誤に基づく無効な同意を経て薬剤が体内に作用することを有形力と見る。

・肯定説②:究極の反抗抑圧手段たる殺害行為が実質的に「暴行」を包含する。

・肯定説③:計画上の第2行為(有毒ガス投与等)を「暴行」として第1行為と一連の実行行為と捉える。

・否定説:被害者が飲料を飲む点について有効な同意があるため「暴行」に当たらない。

「暴行」を否定した場合も、強盗予備罪・殺人予備罪・傷害(致死)罪等の成否を論じる必要がある。

補足

「共謀共同正犯が成立するには、二人以上の者が、特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となって互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし、よって犯罪を実行した事実が認められなければならない。直接実行行為に関与しない者でも、他の共謀者の行為について共同正犯としての刑責を免れることはできない。」

関連判例

  • 最大判昭33.5.28(練馬事件)

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    財産上の利益を強取するため被害者を殺害しようと計画した行為者が、計画上の第2行為(直接の致死行為)に先行する第1行為(薬剤投与)によって被害者を死亡させた場合、2項強盗殺人罪(240条後段)が成立するか。早すぎた構成要件実現と「暴行」の意義が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q財産上の利益を強取するため被害者を殺害しようと計画した行為者が、計画上の第2行為(直接の致死行為)に先行する第1行為(薬剤投与)によって被害者を死亡させた場合、+

【早すぎた構成要件実現の処理(最決平16.3.22の応用)】

Q「2項強盗殺人罪と早すぎた構成要件実現・「暴行」の意義」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和2年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q共謀共同正犯の成立要件は?+

①共謀(意思の連絡)、②共謀に基づく一部の者の実行行為、③正犯意思(正犯性)が必要である。正犯性は犯行の動機・経緯、犯罪計画の立案や指示などの役割、利益の帰属、他の共犯者との関係等を総合し、自己の犯罪として行ったといえるかで判断する。

Q共犯からの離脱はどんな場合に認められる?+

着手前は、他の共犯者に離脱の意思を表明し了承を得て心理的因果性を遮断すれば足りる。着手後は、意思表明と了承に加え、自己の行為が生じさせた物理的・心理的因果性を除去する積極的な行為が必要であり、結果との因果関係を遮断しなければ離脱は認められない。

Q承継的共同正犯で後行者はどこまで責任を負う?+

原則として加担後の行為についてのみ責任を負い、加担前の先行者の行為の結果には責任を負わない。先行者の行為・結果を積極的に利用する意思で加担した場合は例外的に責任を負いうるが、強盗致傷の傷害結果は承継されない(最決平24.11.6)。