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CRIMINAL LAW

早すぎた構成要件の実現(クロロホルム事件の応用)

共同正犯(60条)出題年度:平成24・令和3(関連)

早すぎた構成要件の実現は、刑法(共犯)の論点です。行為者の犯罪計画において第2行為で結果を発生させる予定であったが、第1行為の段階で既に結果が発生した場合、いかに処理すべきか。 判例・通説の規範は「第1行為自体に結果発生の現実的危険性が認められ、第1行為と第2行為が密接な関連を有する一連の行為と評価できる場合には、第1行為の時点で実行の着手が認められ、第1行為から結果が発生し…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成24年・令和3年に問われています。

問題の所在

行為者の犯罪計画において第2行為で結果を発生させる予定であったが、第1行為の段階で既に結果が発生した場合、いかに処理すべきか。

規範(判例・通説の定式)

第1行為自体に結果発生の現実的危険性が認められ、第1行為と第2行為が密接な関連を有する一連の行為と評価できる場合には、第1行為の時点で実行の着手が認められ、第1行為から結果が発生したとしても因果関係を肯定しうる。因果関係の錯誤については、因果経過の基本的部分に食い違いがない限り故意を阻却しない。

あてはめのポイント

クロロホルム事件(最決平16.3.22):殺害目的で昏睡させた段階で死亡→殺人既遂。第1行為が第2行為を確実かつ容易に行うために必要不可欠であり、第1行為に成功した場合、第2行為に至ることが確実で、第1行為と第2行為の間に時間的場所的近接性が認められる場合に着手を認定。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    行為者の犯罪計画において第2行為で結果を発生させる予定であったが、第1行為の段階で既に結果が発生した場合、いかに処理すべきか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q行為者の犯罪計画において第2行為で結果を発生させる予定であったが、第1行為の段階で既に結果が発生した場合、いかに処理すべきか。+

第1行為自体に結果発生の現実的危険性が認められ、第1行為と第2行為が密接な関連を有する一連の行為と評価できる場合には、第1行為の時点で実行の着手が認められ、第1行為から結果が発生したとしても因果関係を肯定しうる。因果関係の錯誤については、因果経過の基本的部分に食い違いがない限り故意を阻却しない。

Q「早すぎた構成要件の実現」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成24年・令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q共謀共同正犯の成立要件は?+

①共謀(意思の連絡)、②共謀に基づく一部の者の実行行為、③正犯意思(正犯性)が必要である。正犯性は犯行の動機・経緯、犯罪計画の立案や指示などの役割、利益の帰属、他の共犯者との関係等を総合し、自己の犯罪として行ったといえるかで判断する。

Q共犯からの離脱はどんな場合に認められる?+

着手前は、他の共犯者に離脱の意思を表明し了承を得て心理的因果性を遮断すれば足りる。着手後は、意思表明と了承に加え、自己の行為が生じさせた物理的・心理的因果性を除去する積極的な行為が必要であり、結果との因果関係を遮断しなければ離脱は認められない。

Q承継的共同正犯で後行者はどこまで責任を負う?+

原則として加担後の行為についてのみ責任を負い、加担前の先行者の行為の結果には責任を負わない。先行者の行為・結果を積極的に利用する意思で加担した場合は例外的に責任を負いうるが、強盗致傷の傷害結果は承継されない(最決平24.11.6)。