CRIMINAL LAW
2項強盗(強盗利得罪・236条2項)
2項強盗は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。暴行・脅迫により財産上不法の利益を得た場合、2項強盗罪が成立するか。「利益」の取得と処分行為の要否が問題となる。 判例・通説の規範は「2項強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合に成立する(236条2項)。「財産上不法の利益を得た」というためには、相手方の反抗を抑圧する程度…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成24年・平成28年・令和4年に問われています。
問題の所在
暴行・脅迫により財産上不法の利益を得た場合、2項強盗罪が成立するか。「利益」の取得と処分行為の要否が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
2項強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合に成立する(236条2項)。「財産上不法の利益を得た」というためには、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫により、財産上の利益が行為者に移転したと評価できることが必要である。債務免脱の場合、被害者に処分行為(意思表示)が必要かについては、被害者を反抗抑圧状態に陥らせて事実上債務の追及を不能にした場合には、処分行為がなくとも利益の移転が認められるとする見解が有力である。
あてはめのポイント
典型例:タクシー強盗(運賃支払いを免れた場合)、殺人後の財産的利益の取得(殺害により債務を免れた場合→殺人罪と2項強盗罪の成否)。1項強盗と2項強盗の区別:有体物の取得→1項、それ以外の財産的利益→2項。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
暴行・脅迫により財産上不法の利益を得た場合、2項強盗罪が成立するか。「利益」の取得と処分行為の要否が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q暴行・脅迫により財産上不法の利益を得た場合、2項強盗罪が成立するか。+
2項強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合に成立する(236条2項)。「財産上不法の利益を得た」というためには、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫により、財産上の利益が行為者に移転したと評価できることが必要である。債務免脱の場合、被害者に処分行為(意思表示)が必要かについては、被害者を反抗抑圧状態に陥らせて事実上債務の追及を不能にした場合には、処分行為がなくとも利益の移転が認められるとする見解が有力である。
Q「2項強盗」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成24年・平成28年・令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q不法領得の意思とは何か?+
権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。
Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+
被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。
Q横領罪と背任罪はどう区別する?+
委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。