CRIMINAL LAW
昏酔強盗罪(239条)と窃盗罪の区別(奪取意思の生じた時期)
昏酔強盗罪と窃盗罪の区別は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。被害者を昏酔させた後に財物を奪取した場合、昏酔強盗罪(239条)と窃盗罪(235条)のいずれが成立するか。奪取意思の生じた時期が問題となる。 判例・通説の規範は「昏酔強盗罪(239条)が成立するためには、昏酔させる段階で財物を奪取する意思(不法領得の意思)が必要である。昏酔後に初めて奪取の意思を生じた場合には昏酔強盗罪は成立せず、窃盗罪(2…」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和2年に問われています。
問題の所在
被害者を昏酔させた後に財物を奪取した場合、昏酔強盗罪(239条)と窃盗罪(235条)のいずれが成立するか。奪取意思の生じた時期が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
昏酔強盗罪(239条)が成立するためには、昏酔させる段階で財物を奪取する意思(不法領得の意思)が必要である。昏酔後に初めて奪取の意思を生じた場合には昏酔強盗罪は成立せず、窃盗罪(235条)の成否を検討する。
なお、2項強盗殺人罪(240条後段)が成立する場合、同一の機会に行われた財物奪取行為について、財産上の利益(債務免脱)と財物が同一の殺害行為を通じて取得されたことに着目し、1項強盗殺人罪(240条前段)の成否を検討する余地がある。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
被害者を昏酔させた後に財物を奪取した場合、昏酔強盗罪(239条)と窃盗罪(235条)のいずれが成立するか。奪取意思の生じた時期が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q被害者を昏酔させた後に財物を奪取した場合、昏酔強盗罪(239条)と窃盗罪(235条)のいずれが成立するか。+
昏酔強盗罪(239条)が成立するためには、昏酔させる段階で財物を奪取する意思(不法領得の意思)が必要である。昏酔後に初めて奪取の意思を生じた場合には昏酔強盗罪は成立せず、窃盗罪(235条)の成否を検討する。
Q「昏酔強盗罪と窃盗罪の区別」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
令和2年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q不法領得の意思とは何か?+
権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。
Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+
被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。
Q横領罪と背任罪はどう区別する?+
委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。