ADMINISTRATIVE LAW
無効確認訴訟(行訴法3条4項・36条)と取消訴訟の選択
無効確認訴訟と取消訴訟の選択は、行政法(行政救済法)の論点です。取消訴訟の出訴期間(行訴法14条)を経過した場合、無効確認訴訟(行訴法3条4項)によって救済を求めうるか。処分の無効要件が問題となる。 判例・通説の規範は「【無効確認訴訟の要件(36条)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成24年・平成26年・平成28年・平成30年などに問われています。
問題の所在
取消訴訟の出訴期間(行訴法14条)を経過した場合、無効確認訴訟(行訴法3条4項)によって救済を求めうるか。処分の無効要件が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
【無効確認訴訟の要件(36条)】
①処分の無効を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないこと(補充性)、②当該処分の無効確認を求める法律上の利益があること。
【重大かつ明白な瑕疵】
処分が当然無効となるのは、瑕疵が重大かつ明白な場合に限られる(最判昭36.3.7)。
・重大性:法規違反の程度が重大で、処分の根拠規定の本質的な要件を欠く。
・明白性:処分の外形・成立過程から一見して違法であることが明らか。
取消しうべき瑕疵にとどまる場合は、出訴期間経過により不可争となる。
あてはめのポイント
無効と取消しの区別の実益:①取消訴訟の出訴期間(14条)・被告適格(11条)・管轄(12条)は無効確認訴訟には適用されない。②無効な処分は当事者に直接主張でき、取消判決を待つ必要がない。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
取消訴訟の出訴期間(行訴法14条)を経過した場合、無効確認訴訟(行訴法3条4項)によって救済を求めうるか。処分の無効要件が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q取消訴訟の出訴期間(行訴法14条)を経過した場合、無効確認訴訟(行訴法3条4項)によって救済を求めうるか。+
【無効確認訴訟の要件(36条)】
Q「無効確認訴訟と取消訴訟の選択」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成24年・平成26年・平成28年・平成30年・令和2年・令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q処分性はどう判断する?+
取消訴訟の対象となる処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最判昭39.10.29)。公権力性と直接の法効果性を個別法の仕組みから検討する。
Q原告適格の「法律上の利益を有する者」とは?+
処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう(最判平元.2.17)。第三者については行訴法9条2項により、根拠法令・関連法令の趣旨目的と、害される利益の内容・性質・態様・程度を勘案して判断する。
Q国家賠償法1条1項の「違法」はどう判断する?+
公務員が個別の国民に対して負担する職務上通常尽くすべき注意義務に違反したかで判断する(職務行為基準説・最判昭60.11.21)。規制権限の不行使は、根拠法令の趣旨目的や権限の性質に照らし、不行使が著しく合理性を欠く場合に限り違法となる(最判平16.4.27)。