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開発行為完了後の訴えの利益の消滅(最判平7.11.9・最判昭59.10.26参照)

取消訴訟の訴訟要件出題年度:令和4(関連)

開発行為完了後の訴えの利益の消滅は、行政法(行政救済法)の論点です。開発許可の取消訴訟係属中に開発行為に関する工事が完了した場合、訴えの利益は失われるか。開発許可の法的効果の構造が問題となる。 判例・通説の規範は「最判平7.11.9(ゴルフ場開発許可・工事完了後)は訴えの利益を否定しているが、理由が明確でない。最判昭59.10.26(建築確認・建築工事完了後)を参考に、開発許可の法的効果の構…」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和4年に問われています。

問題の所在

開発許可の取消訴訟係属中に開発行為に関する工事が完了した場合、訴えの利益は失われるか。開発許可の法的効果の構造が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

最判平7.11.9(ゴルフ場開発許可・工事完了後)は訴えの利益を否定しているが、理由が明確でない。最判昭59.10.26(建築確認・建築工事完了後)を参考に、開発許可の法的効果の構造から理由を明確化すると以下のとおりである。

開発許可は、開発行為(土地の形質変更等)を許可するものであり、その法的効果(開発行為を適法に行うことができる地位)は開発行為の完了により消滅する。建築確認(工事後も建築物の存続・使用を継続的に授権する効果を有する)と異なり、開発許可は一回的な行為を対象とする。

したがって、工事完了後は開発許可の法的効果が既に消滅しており、取消判決によって回復すべき法律上の利益はなく、訴えの利益は失われる。

あてはめのポイント

建築確認との区別:建築確認は取消しにより建物の使用・存続の根拠が消滅し、是正措置(除却命令等)の対象となるため工事完了後も訴えの利益あり(最判昭59.10.26)。これに対して開発許可は工事完了後は根拠となる授権効果自体が消滅しており、取消しが是正措置に直結しない→訴えの利益なし。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    開発許可の取消訴訟係属中に開発行為に関する工事が完了した場合、訴えの利益は失われるか。開発許可の法的効果の構造が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q開発許可の取消訴訟係属中に開発行為に関する工事が完了した場合、訴えの利益は失われるか。+

最判平7.11.9(ゴルフ場開発許可・工事完了後)は訴えの利益を否定しているが、理由が明確でない。最判昭59.10.26(建築確認・建築工事完了後)を参考に、開発許可の法的効果の構造から理由を明確化すると以下のとおりである。

Q「開発行為完了後の訴えの利益の消滅」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q処分性はどう判断する?+

取消訴訟の対象となる処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最判昭39.10.29)。公権力性と直接の法効果性を個別法の仕組みから検討する。

Q原告適格の「法律上の利益を有する者」とは?+

処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう(最判平元.2.17)。第三者については行訴法9条2項により、根拠法令・関連法令の趣旨目的と、害される利益の内容・性質・態様・程度を勘案して判断する。

Q国家賠償法1条1項の「違法」はどう判断する?+

公務員が個別の国民に対して負担する職務上通常尽くすべき注意義務に違反したかで判断する(職務行為基準説・最判昭60.11.21)。規制権限の不行使は、根拠法令の趣旨目的や権限の性質に照らし、不行使が著しく合理性を欠く場合に限り違法となる(最判平16.4.27)。