CIVIL LAW
詐害行為取消権(424条)
詐害行為取消権は、民法(債権総論)の論点です。債務者の行為が詐害行為として取り消されるか。詐害行為取消権の要件及び行使の範囲が問題となる。 判例・通説の規範は「詐害行為取消権(424条)の要件は、①被保全債権が詐害行為前に発生していること、②債務者が債権者を害することを知ってした行為であること(詐害意思)、③受益者・転得者の悪意、④財産権…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成23年・平成25年・平成27年・平成29年などに問われています。
問題の所在
債務者の行為が詐害行為として取り消されるか。詐害行為取消権の要件及び行使の範囲が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
詐害行為取消権(424条)の要件は、①被保全債権が詐害行為前に発生していること、②債務者が債権者を害することを知ってした行為であること(詐害意思)、③受益者・転得者の悪意、④財産権を目的とした行為であること(424条2項:相続の承認・放棄等は除く)である。
【相当対価処分行為(424条の2)】
相当の対価を得てした財産処分→①隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせるもの、②債務者が隠匿等の意思を有していたこと、③受益者が悪意であること。
【偏頗行為(424条の3)】
特定の債権者に対する弁済等→①支払不能時の行為、②債務者と受益者が通謀して他の債権者を害する意図。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
債務者の行為が詐害行為として取り消されるか。詐害行為取消権の要件及び行使の範囲が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
あわせて読みたい論点
この論点の前提になる論点や、対になる論点です。
物権/物権変動
177条の「第三者」の範囲
さらに学びたい人へ(おすすめ教材)
この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。
書籍
民法(全)(有斐閣・潮見佳男) ↗一冊で民法全体の要件・効果を確認できる。論証の要件漏れはここで補う。
講座
アガルート 重要問題習得講座(重問) ↗信頼できる答案例が付いた網羅的な演習書。解答例を問題提起・理由付け・規範・あてはめ・結論の5色に塗り分けて周回する。憲法・刑法以外の論文の軸。
講座
アガルート 短答過去問解析講座(憲法・民法・刑法) ↗司法試験・予備試験の全過去問・全選択肢の解説動画。動画で思考過程の誤りに気づけるので、全年度を判例六法にマーキングしながら回す作業を完走できる。
講座
アガルート 論証集の使い方講座 ↗論証集は書き換えず、5色に塗って可視化して使うのが基本。作成者本人が行間を説明する講座で、読みにくい部分の理解が進む。
出題実績と演習
よくある質問
Q債務者の行為が詐害行為として取り消されるか。+
詐害行為取消権(424条)の要件は、①被保全債権が詐害行為前に発生していること、②債務者が債権者を害することを知ってした行為であること(詐害意思)、③受益者・転得者の悪意、④財産権を目的とした行為であること(424条2項:相続の承認・放棄等は除く)である。
Q「詐害行為取消権」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成23年・平成25年・平成27年・平成29年・令和元年・令和3年・令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q債権者代位権の要件は?+
①被保全債権の存在、②債務者の無資力(金銭債権保全の場合)、③債務者が自ら権利を行使しないこと、④被代位権利が債務者の一身専属権でないことが必要である(423条)。特定債権の保全のための転用型は、保全に必要である場合に認められる。
Q詐害行為取消権の要件は?+
①被保全債権が詐害行為前に発生していること、②債務者が債権者を害することを知ってした行為であること(詐害意思)、③受益者・転得者の悪意、④財産権を目的とした行為であることが必要である(424条)。相当対価処分や偏頗行為には特則がある。
Q債権が二重に譲渡された場合の優劣は?+
確定日付のある証書による通知が債務者に到達した日時の先後で決する(最判昭49.3.7)。同時到達の場合は各譲受人が債務者に対してそれぞれ全額の支払を請求できる(最判昭55.1.11)。