CIVIL LAW
受領義務の成否と受領義務不履行による解除(最判昭40.12.3)
受領義務の成否と受領義務不履行による解除は、民法(債権総論)の論点です。売買契約において、買主(債権者)は目的物を受領する義務を負うか。受領義務の不履行を理由とする催告解除の成否が問題となる。 判例・通説の規範は「債権者が目的物を受領しない場合、受領遅滞(413条)による手当てで足り、原則として債務不履行(受領義務の不履行)として解除の原因とはならない(判例・通説:最判昭40.12.3、最判…」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和5年に問われています。
問題の所在
売買契約において、買主(債権者)は目的物を受領する義務を負うか。受領義務の不履行を理由とする催告解除の成否が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
債権者が目的物を受領しない場合、受領遅滞(413条)による手当てで足り、原則として債務不履行(受領義務の不履行)として解除の原因とはならない(判例・通説:最判昭40.12.3、最判昭46.12.16参照)。
もっとも、個別の契約の事情に照らし、信義則(1条2項)又は契約解釈から受領義務が認められる場合には、その不履行を理由として催告解除(541条)をなしうる。受領義務が認められる場面の例:①売主が目的物を相当期間管理しなければならず多大な負担が生じる場合、②目的物の特殊性により受領拒否が売主に著しい損害をもたらす場合。
受領義務不履行が認められる場合:売主が履行の提供(493条本文・現実の提供)をしたにもかかわらず、買主が受領しないことが受領義務の不履行(履行遅滞)となり、相当期間を定めた催告後に解除できる。
あてはめのポイント
解除後の効果:受領義務不履行を原因とする解除の場合も、買主の代金支払義務は消滅するが(545条1項)、売主は債務不履行による損害賠償(415条)を請求しうる(545条4項)。代金相当額は「代金債権に代わる填補賠償」(415条2項3号)として請求可能。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
売買契約において、買主(債権者)は目的物を受領する義務を負うか。受領義務の不履行を理由とする催告解除の成否が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q売買契約において、買主(債権者)は目的物を受領する義務を負うか。+
債権者が目的物を受領しない場合、受領遅滞(413条)による手当てで足り、原則として債務不履行(受領義務の不履行)として解除の原因とはならない(判例・通説:最判昭40.12.3、最判昭46.12.16参照)。
Q「受領義務の成否と受領義務不履行による解除」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q債権者代位権の要件は?+
①被保全債権の存在、②債務者の無資力(金銭債権保全の場合)、③債務者が自ら権利を行使しないこと、④被代位権利が債務者の一身専属権でないことが必要である(423条)。特定債権の保全のための転用型は、保全に必要である場合に認められる。
Q詐害行為取消権の要件は?+
①被保全債権が詐害行為前に発生していること、②債務者が債権者を害することを知ってした行為であること(詐害意思)、③受益者・転得者の悪意、④財産権を目的とした行為であることが必要である(424条)。相当対価処分や偏頗行為には特則がある。
Q債権が二重に譲渡された場合の優劣は?+
確定日付のある証書による通知が債務者に到達した日時の先後で決する(最判昭49.3.7)。同時到達の場合は各譲受人が債務者に対してそれぞれ全額の支払を請求できる(最判昭55.1.11)。