CIVIL LAW
相殺の要件と禁止事由(505条・509条)
相殺の要件と禁止事由は、民法(債権総論)の論点です。相殺(505条)が適法に行われるか。相殺禁止事由(509条)の範囲が問題となる。 判例・通説の規範は「相殺の要件(505条1項):①双方が同種の目的を有する債務を負担すること、②双方の債務が弁済期にあること(自働債権は弁済期にある必要があるが、受働債権は弁済期前でも相殺可)、③相殺…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成24年・平成27年・平成30年・令和2年などに問われています。
問題の所在
相殺(505条)が適法に行われるか。相殺禁止事由(509条)の範囲が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
相殺の要件(505条1項):①双方が同種の目的を有する債務を負担すること、②双方の債務が弁済期にあること(自働債権は弁済期にある必要があるが、受働債権は弁済期前でも相殺可)、③相殺が禁止されていないこと。
【相殺禁止(509条)】
次の債権を受働債権とする相殺は禁止される:
①悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権(509条1号)
②人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権(509条2号:不法行為・債務不履行を問わない)
相殺の効果(506条2項):相殺は双方の債務の対当額において、双方が相殺適状に達した時点にさかのぼって消滅させる(遡及効)。
あてはめのポイント
差押えと相殺:差押え前に取得した自働債権については、弁済期が差押え後に到来するものでも相殺可(最大判昭45.6.24)。ただし差押え後に取得した債権での相殺は対抗不可(511条)。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
相殺(505条)が適法に行われるか。相殺禁止事由(509条)の範囲が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q相殺(505条)が適法に行われるか。+
相殺の要件(505条1項):①双方が同種の目的を有する債務を負担すること、②双方の債務が弁済期にあること(自働債権は弁済期にある必要があるが、受働債権は弁済期前でも相殺可)、③相殺が禁止されていないこと。
Q「相殺の要件と禁止事由」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成24年・平成27年・平成30年・令和2年・令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q債権者代位権の要件は?+
①被保全債権の存在、②債務者の無資力(金銭債権保全の場合)、③債務者が自ら権利を行使しないこと、④被代位権利が債務者の一身専属権でないことが必要である(423条)。特定債権の保全のための転用型は、保全に必要である場合に認められる。
Q詐害行為取消権の要件は?+
①被保全債権が詐害行為前に発生していること、②債務者が債権者を害することを知ってした行為であること(詐害意思)、③受益者・転得者の悪意、④財産権を目的とした行為であることが必要である(424条)。相当対価処分や偏頗行為には特則がある。
Q債権が二重に譲渡された場合の優劣は?+
確定日付のある証書による通知が債務者に到達した日時の先後で決する(最判昭49.3.7)。同時到達の場合は各譲受人が債務者に対してそれぞれ全額の支払を請求できる(最判昭55.1.11)。