ADMINISTRATIVE LAW
裁量基準(行手法5条・12条)と個別事情考慮義務
裁量基準と個別事情考慮義務は、行政法(行政行為)の論点です。行政庁が裁量基準(処分基準・審査基準)を設定・公表している場合に、個別事情を考慮せずに基準を機械的に適用することは許されるか。 判例・通説の規範は「裁量基準は行政の統一性・公平性を確保するために有用であるが、法規命令ではなく行政規則にとどまる。したがって、裁量基準の適用に当たっては、個別具体的な事情を考慮し、基準を機械的に適用…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成23年・平成25年・平成27年・平成29年などに問われています。
問題の所在
行政庁が裁量基準(処分基準・審査基準)を設定・公表している場合に、個別事情を考慮せずに基準を機械的に適用することは許されるか。
規範(判例・通説の定式)
裁量基準は行政の統一性・公平性を確保するために有用であるが、法規命令ではなく行政規則にとどまる。したがって、裁量基準の適用に当たっては、個別具体的な事情を考慮し、基準を機械的に適用することが著しく不合理となる場合には、基準からの離脱も許容される。
逆に、合理的な裁量基準が存在するにもかかわらず、正当な理由なく基準に反する処分を行うことは、平等原則違反として違法となりうる。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
行政庁が裁量基準(処分基準・審査基準)を設定・公表している場合に、個別事情を考慮せずに基準を機械的に適用することは許されるか。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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書籍
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講座
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出題実績と演習
よくある質問
Q行政庁が裁量基準(処分基準・審査基準)を設定・公表している場合に、個別事情を考慮せずに基準を機械的に適用することは許されるか。+
裁量基準は行政の統一性・公平性を確保するために有用であるが、法規命令ではなく行政規則にとどまる。したがって、裁量基準の適用に当たっては、個別具体的な事情を考慮し、基準を機械的に適用することが著しく不合理となる場合には、基準からの離脱も許容される。
Q「裁量基準と個別事情考慮義務」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成23年・平成25年・平成27年・平成29年・令和元年・令和3年・令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q裁量権の逸脱・濫用はどう判断する?+
①考慮すべき事項を考慮しなかったか(考慮不尽・他事考慮)、②社会観念上著しく妥当を欠くかを基準に判断する(行訴法30条)。判断過程審査では、考慮事項の適切な考慮、不当な事項の考慮の有無、各事項の評価の合理性を審査する。
Q裁量基準を機械的に適用した処分は違法?+
裁量基準は行政規則にとどまるため、個別具体的な事情を考慮せず基準を機械的に適用することが著しく不合理となる場合には基準からの離脱が許され、機械的適用は裁量権の逸脱・濫用となりうる。逆に正当な理由なく基準に反する処分は平等原則違反となりうる。
Q違法性の承継が認められる要件は?+
原則として先行処分の違法は後行処分に承継されないが、先行処分と後行処分が連続した一連の手続を構成し、相互に結合して一つの法効果の実現を目指す関係にある場合には例外的に認められる(最判平21.12.17)。手続的保障の程度と実体法上の関連性を考慮する。