ADMINISTRATIVE LAW
仮の義務付け・仮の差止め(行訴法37条の5)
規範(判例・通説の定式)
義務付け訴訟又は差止め訴訟の提起があった場合に、償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は仮の義務付け又は仮の差止めを命じることができる(37条の5第1項・2項)。公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは認められない(同条3項)。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
本件で仮の義務付け・仮の差止めが問題となる旨を、条文を引用して1〜2文で提起する。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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書籍
基本行政法(日本評論社) ↗処分性・原告適格・裁量の判断枠組みを、判例の規範と当てはめの順で整理している。行政法の規範はまずこれで確認。
講座
アガルート 重要問題習得講座(重問) ↗信頼できる答案例が付いた網羅的な演習書。解答例を問題提起・理由付け・規範・あてはめ・結論の5色に塗り分けて周回する。憲法・刑法以外の論文の軸。
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アガルート 短答知識完成講座Ⅱ(下4法) ↗下4法の短答対策。過去問と判例六法のマーキングをセットで進めるための講座。
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アガルート 判例百選スピード攻略講座 ↗百選を問題集として使い、その判例が論文で出たらどう書くかを示す講座。インプットとアウトプットを同時にできる。特に行政法・民訴・会社法・刑訴で効果が大きい。
出題実績と演習
よくある質問
Q「仮の義務付け・仮の差止め」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成25年・平成29年・令和元年・令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q処分性はどう判断する?+
取消訴訟の対象となる処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最判昭39.10.29)。公権力性と直接の法効果性を個別法の仕組みから検討する。
Q原告適格の「法律上の利益を有する者」とは?+
処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう(最判平元.2.17)。第三者については行訴法9条2項により、根拠法令・関連法令の趣旨目的と、害される利益の内容・性質・態様・程度を勘案して判断する。
Q国家賠償法1条1項の「違法」はどう判断する?+
公務員が個別の国民に対して負担する職務上通常尽くすべき注意義務に違反したかで判断する(職務行為基準説・最判昭60.11.21)。規制権限の不行使は、根拠法令の趣旨目的や権限の性質に照らし、不行使が著しく合理性を欠く場合に限り違法となる(最判平16.4.27)。
Q法律に補償規定がなくても損失補償を請求できる?+
できる。憲法29条3項を直接の根拠として損失補償を請求することが可能である(最大判昭43.11.27)。補償の要否は、規制が特定の者に向けられているか(形式的基準)と財産権の本質的内容を侵害するほど強度か(実質的基準)から特別の犠牲に当たるかで判断する。