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CIVIL LAW

通謀虚偽表示(94条)と94条2項類推適用

意思表示出題年度:平成23・24・26・27・29・令和元・3・5

通謀虚偽表示と94条2項類推適用は、民法(総則)の論点です。虚偽の外観が作出された場合に、94条2項の類推適用により第三者を保護しうるか。権利外観法理の適用が問題となる。 判例・通説の規範は「94条2項は通謀虚偽表示の無効を善意の第三者に対抗できないと規定する。通謀がない場合でも、不実の登記の存在につき真の権利者に帰責性が認められ、かつ、第三者がその外観を信頼した場合に…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成23年・平成24年・平成26年・平成27年などに問われています。

問題の所在

虚偽の外観が作出された場合に、94条2項の類推適用により第三者を保護しうるか。権利外観法理の適用が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

94条2項は通謀虚偽表示の無効を善意の第三者に対抗できないと規定する。通謀がない場合でも、不実の登記の存在につき真の権利者に帰責性が認められ、かつ、第三者がその外観を信頼した場合には、94条2項を類推適用して第三者を保護すべきである。

【類推適用の類型】

・①真の権利者が虚偽の外観作出に積極的に関与した場合→94条2項の直接適用又は類推適用

・②虚偽の外観を知りながら放置した場合→94条2項・110条の法意に照らし類推適用

・③虚偽の外観の存在を知らなかったがそれについて帰責性がある場合→94条2項・110条の類推適用(第三者の善意無過失を要求)

あてはめのポイント

外形与因型の帰責性判断:最判平18.2.23は、真の権利者に「不実登記を承認したと同視し得るほど重い帰責性」がある場合に、善意無過失の第三者を保護する。他方、最判平15.6.13(書類の偽造による不実登記)では帰責性が否定されており、交付書類の種類・用途(抵当権抹消目的で交付した書類が所有権移転に流用された等)と、虚偽外観を是正し得た機会の有無が帰責性の判断基準となる。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    虚偽の外観が作出された場合に、94条2項の類推適用により第三者を保護しうるか。権利外観法理の適用が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q虚偽の外観が作出された場合に、94条2項の類推適用により第三者を保護しうるか。+

94条2項は通謀虚偽表示の無効を善意の第三者に対抗できないと規定する。通謀がない場合でも、不実の登記の存在につき真の権利者に帰責性が認められ、かつ、第三者がその外観を信頼した場合には、94条2項を類推適用して第三者を保護すべきである。

Q「通謀虚偽表示と94条2項類推適用」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成23年・平成24年・平成26年・平成27年・平成29年・令和元年・令和3年・令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q94条2項類推適用の要件は?+

①虚偽の外観(不実の登記等)の存在、②真の権利者の帰責性、③第三者の信頼が必要である。真の権利者が外観作出に積極的に関与した場合は善意で足り、知らなかったが帰責性がある場合は110条も併せて類推し善意無過失を要求する(最判平18.2.23)。

Q動機の錯誤で取消しが認められる要件は?+

法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反し、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと(95条2項)に加え、錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であること(95条1項)が必要である。表意者に重過失があると原則取消しできない。

Q無権代理人が本人を相続したらどうなる?+

無権代理人が本人を単独相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様の状態が生じ無権代理行為は当然に有効となる(最判昭40.6.18)。逆に本人が無権代理人を相続した場合は追認拒絶が信義則に反せず、共同相続では他の共同相続人全員の追認が必要である。