CRIMINAL LAW
横領における「他人の物」の占有
横領における「他人の物」の占有は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。横領罪(252条)における「自己の占有する他人の物」の意義。委託信任関係に基づく占有の範囲が問題となる。 判例・通説の規範は「横領罪にいう「占有」とは、委託信任関係に基づく占有をいう。単なる事実上の支配(物理的占有)ではなく、法律上の支配(預金・登記名義等の法律上の占有)も含まれる。預金の占有については、…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成23年・平成25年・令和5年に問われています。
問題の所在
横領罪(252条)における「自己の占有する他人の物」の意義。委託信任関係に基づく占有の範囲が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
横領罪にいう「占有」とは、委託信任関係に基づく占有をいう。単なる事実上の支配(物理的占有)ではなく、法律上の支配(預金・登記名義等の法律上の占有)も含まれる。預金の占有については、預金名義人が預金を管理・処分しうる地位にある場合、金銭の占有が認められる。不動産の占有については、登記名義を有する者に法律上の占有が認められる。
あてはめのポイント
二重譲渡:不動産の売主が第三者に二重譲渡した場合→横領罪の成否(最大判昭33.9.19は背任罪としたが、後の判例は横領罪を認める傾向)。委託金の流用:会社の資金を個人的用途に流用した場合→業務上横領罪。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
横領罪(252条)における「自己の占有する他人の物」の意義。委託信任関係に基づく占有の範囲が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q横領罪(252条)における「自己の占有する他人の物」の意義。+
横領罪にいう「占有」とは、委託信任関係に基づく占有をいう。単なる事実上の支配(物理的占有)ではなく、法律上の支配(預金・登記名義等の法律上の占有)も含まれる。預金の占有については、預金名義人が預金を管理・処分しうる地位にある場合、金銭の占有が認められる。不動産の占有については、登記名義を有する者に法律上の占有が認められる。
Q「横領における「他人の物」の占有」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成23年・平成25年・令和5年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q不法領得の意思とは何か?+
権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。
Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+
被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。
Q横領罪と背任罪はどう区別する?+
委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。