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CRIMINAL LAW

横領罪の「占有」と窃盗犯人からの委託信任関係の要保護性

財産犯出題年度:令和4

横領罪の「占有」と窃盗犯人からの委託信任関係の要保護性は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。窃盗犯人から盗品の保管を委託された者が横領行為をした場合、横領罪(252条1項)の「占有」要件(委託信任関係に基づく占有)を充たすか。 判例・通説の規範は「【肯定説】」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和4年に問われています。

問題の所在

窃盗犯人から盗品の保管を委託された者が横領行為をした場合、横領罪(252条1項)の「占有」要件(委託信任関係に基づく占有)を充たすか。

規範(判例・通説の定式)

【肯定説】

窃盗罪において窃盗犯人の占有も保護されていることとの均衡上、横領罪においても窃盗犯人との委託信任関係は保護される。

【否定説①(要保護性欠如)】

委託の内容が盗品等保管罪(256条2項)を構成する犯罪行為である場合、当該委託関係の要保護性は否定すべきである。

【否定説②(正当な権限者との委託が必要)】

横領罪の委託関係は所有者又は所有者から権限を与えられた者と行為者との間に必要である。正当な権限を有しない窃盗犯人からの委託は横領罪の「占有」要件を充たさない。

あてはめのポイント

否定説によれば、甲には盗品等保管罪(256条2項)のみが成立し、横領罪の成立は否定される。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    窃盗犯人から盗品の保管を委託された者が横領行為をした場合、横領罪(252条1項)の「占有」要件(委託信任関係に基づく占有)を充たすか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q窃盗犯人から盗品の保管を委託された者が横領行為をした場合、横領罪(252条1項)の「占有」要件(委託信任関係に基づく占有)を充たすか。+

【肯定説】

Q「横領罪の「占有」と窃盗犯人からの委託信任関係の要保護性」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q不法領得の意思とは何か?+

権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。

Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+

被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。

Q横領罪と背任罪はどう区別する?+

委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。