CORPORATE LAW
取締役の責任免除・限定(424条〜427条)
規範(判例・通説の定式)
【総株主の同意による免除(424条)】
423条1項の責任は総株主の同意がなければ免除できない。
【株主総会の特別決議による一部免除(425条)】
善意無重過失の場合に限り、最低責任限度額を超える部分を株主総会の特別決議で免除可能。
【責任限定契約(427条)】
社外取締役・会計参与・社外監査役・会計監査人は、定款の規定に基づき、会社との間で責任限定契約を締結しうる。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
本件で取締役の責任免除・限定が問題となる旨を、条文を引用して1〜2文で提起する。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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書籍
会社法判例百選(有斐閣) ↗取締役の責任・株主総会決議の瑕疵などで引用する判例の事案と規範を確認する。
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アガルート 重要問題習得講座(重問) ↗信頼できる答案例が付いた網羅的な演習書。解答例を問題提起・理由付け・規範・あてはめ・結論の5色に塗り分けて周回する。憲法・刑法以外の論文の軸。
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アガルート 短答知識完成講座Ⅱ(下4法) ↗下4法の短答対策。過去問と判例六法のマーキングをセットで進めるための講座。
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アガルート 判例百選スピード攻略講座 ↗百選を問題集として使い、その判例が論文で出たらどう書くかを示す講座。インプットとアウトプットを同時にできる。特に行政法・民訴・会社法・刑訴で効果が大きい。
出題実績と演習
よくある質問
Q「取締役の責任免除・限定」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成26年・平成30年・令和2年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q取締役の任務懈怠責任(423条1項)の要件は?+
①任務懈怠(善管注意義務・忠実義務・法令遵守義務等の違反)、②会社の損害、③両者の相当因果関係が必要である。唯一の株主の意向に沿った行為でも、義務は会社に対して負うものであるため、会社に損害を与えうる行為には任務懈怠が認められうる。
Q会社法429条1項の責任の性質は?+
最大判昭44.11.26は、取締役の社会的影響力の大きさから第三者保護のために不法行為責任とは別個に定められた法定の特別責任と解する(法定責任説)。任務懈怠について悪意・重過失があり、第三者の損害と相当因果関係があれば、直接損害・間接損害のいずれも賠償対象となる。
Q株主代表訴訟を提起する要件は?+
6か月前から引き続き株式を有する株主が、会社に対し書面で取締役の責任追及の訴えの提起を請求し、会社が60日以内に訴えを提起しないときに自ら提起できる(847条1項・3項)。会社が提起しない場合は請求により不提訴理由を通知しなければならない(847条4項)。
Q取締役の責任は免除できる?+
423条1項の責任は総株主の同意がなければ免除できない(424条)。善意無重過失の場合に限り、株主総会の特別決議で最低責任限度額を超える部分を一部免除できる(425条)。社外取締役等は定款に基づき責任限定契約を締結できる(427条)。