CORPORATE LAW
多重代表訴訟(847条の3)
規範(判例・通説の定式)
最終完全親会社等の株主は、一定の要件のもと、子会社の取締役等の責任を追及する訴え(多重代表訴訟)を提起することができる(847条の3)。子会社取締役の責任の原因となった事実が生じた日における子会社株式の帳簿価額が、最終完全親会社等の総資産額の5分の1を超える場合に認められる。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
本件で多重代表訴訟が問題となる旨を、条文を引用して1〜2文で提起する。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q「多重代表訴訟」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q取締役の任務懈怠責任(423条1項)の要件は?+
①任務懈怠(善管注意義務・忠実義務・法令遵守義務等の違反)、②会社の損害、③両者の相当因果関係が必要である。唯一の株主の意向に沿った行為でも、義務は会社に対して負うものであるため、会社に損害を与えうる行為には任務懈怠が認められうる。
Q会社法429条1項の責任の性質は?+
最大判昭44.11.26は、取締役の社会的影響力の大きさから第三者保護のために不法行為責任とは別個に定められた法定の特別責任と解する(法定責任説)。任務懈怠について悪意・重過失があり、第三者の損害と相当因果関係があれば、直接損害・間接損害のいずれも賠償対象となる。
Q株主代表訴訟を提起する要件は?+
6か月前から引き続き株式を有する株主が、会社に対し書面で取締役の責任追及の訴えの提起を請求し、会社が60日以内に訴えを提起しないときに自ら提起できる(847条1項・3項)。会社が提起しない場合は請求により不提訴理由を通知しなければならない(847条4項)。
Q取締役の責任は免除できる?+
423条1項の責任は総株主の同意がなければ免除できない(424条)。善意無重過失の場合に限り、株主総会の特別決議で最低責任限度額を超える部分を一部免除できる(425条)。社外取締役等は定款に基づき責任限定契約を締結できる(427条)。