オンラインロースクールONLINE LAW SCHOOL

CIVIL LAW

留置権(295条)

担保物権出題年度:平成25・28・令和3(関連)

留置権は、民法(物権)の論点です。物を占有する者に留置権(295条)が成立するか。被担保債権と留置物との牽連性が問題となる。 判例・通説の規範は「留置権(295条1項)の成立要件は、①他人の物を占有していること、②占有する物に関して弁済期にある債権を有すること(牽連性)、③占有が不法行為によって始まっていないこと(295条2…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成25年・平成28年・令和3年に問われています。

問題の所在

物を占有する者に留置権(295条)が成立するか。被担保債権と留置物との牽連性が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

留置権(295条1項)の成立要件は、①他人の物を占有していること、②占有する物に関して弁済期にある債権を有すること(牽連性)、③占有が不法行為によって始まっていないこと(295条2項)である。

「物に関して生じた債権」(牽連性)とは、①当該物自体から生じた債権(修繕費用・改良費用等)、又は②当該物と同一の法律関係から生じた債権をいう。

留置権は法定担保物権であり、当事者の合意なく法律要件充足により当然に成立する。

あてはめのポイント

建物賃貸借における造作代金債権:賃借人の造作買取請求権(借地借家法33条)は建物について生じた債権として牽連性が認められうるが、建物自体の価値を増加させるものでなければ牽連性が否定される。敷金返還請求権と建物明渡し:留置権は成立しない(最判昭49.9.2:敷金返還請求権は建物から生じた債権ではなく、また同時履行関係もない)。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    物を占有する者に留置権(295条)が成立するか。被担保債権と留置物との牽連性が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

あわせて読みたい論点

この論点の前提になる論点や、対になる論点です。

さらに学びたい人へ(おすすめ教材)

この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。

出題実績と演習

よくある質問

Q物を占有する者に留置権(295条)が成立するか。+

留置権(295条1項)の成立要件は、①他人の物を占有していること、②占有する物に関して弁済期にある債権を有すること(牽連性)、③占有が不法行為によって始まっていないこと(295条2項)である。

Q「留置権」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成25年・平成28年・令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q177条の第三者とは誰のこと?+

当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいう(最判昭25.12.19)。不法占拠者や無権利者は含まれず、物権変動を知りながら登記の欠缺を主張することが信義に反する背信的悪意者も含まれない(最判昭43.8.2)。

Q占有改定で即時取得は成立する?+

成立しない。即時取得は占有の外観を信頼した者を保護する制度であり、占有改定では外観上の変化がないため「占有を始めた」(192条)に当たらない(最判昭35.2.11)。指図による占有移転も同様で、現実の引渡しが必要である。

Q抵当権者は賃料債権に物上代位できる?+

できる(最大決平元.10.27)。ただし払渡し前に差押えが必要である(304条1項但書)。転貸賃料債権には原則として物上代位できないが、賃借人を所有者と同視できる場合は例外的に認められる(最決平12.4.14)。