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法人株主の代表取締役の内部的権限制限と議決権行使(349条5項・善意の第三者)

株主総会出題年度:令和3

法人株主の代表取締役の内部的権限制限と議決権行使は、商法(会社法)(機関)の論点です。法人株主の代表取締役が、社内規程(内規)による権限制限に違反して議決権を行使した場合、その議決権行使は有効か。代表権の内部的制限(349条5項)と善意の第三者の保護が問題となる。 判例・通説の規範は「法人株主の代表取締役は会社の業務に関する一切の行為をする権限を有し(349条4項)、この代表権を内部的に制限する定め(内規・委任等)は善意の第三者に対抗することができない(349条…」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和3年に問われています。

問題の所在

法人株主の代表取締役が、社内規程(内規)による権限制限に違反して議決権を行使した場合、その議決権行使は有効か。代表権の内部的制限(349条5項)と善意の第三者の保護が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

法人株主の代表取締役は会社の業務に関する一切の行為をする権限を有し(349条4項)、この代表権を内部的に制限する定め(内規・委任等)は善意の第三者に対抗することができない(349条5項)。

したがって、法人株主の内規に違反した代表取締役による議決権行使も、当該制限を知らない善意の第三者との関係では有効である。

「第三者」(株主総会・他の株主等)の主観面の判断:①議決権行使という集団的権利行使の場面では、他の参加者が代表取締役の内部制限を知ることは通常困難→善意が認められやすい。②他方、株主数の少ない閉鎖的な非公開会社で株主間に対立がある場合には、内規の存在を知りうる機会があり悪意・重過失が問題となりうる。

また、代表権の濫用(自己又は第三者の利益のために代表権を行使した場合)として処理する余地もある。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    法人株主の代表取締役が、社内規程(内規)による権限制限に違反して議決権を行使した場合、その議決権行使は有効か。代表権の内部的制限(349条5項)と善意の第三者の保護が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q法人株主の代表取締役が、社内規程(内規)による権限制限に違反して議決権を行使した場合、その議決権行使は有効か。+

法人株主の代表取締役は会社の業務に関する一切の行為をする権限を有し(349条4項)、この代表権を内部的に制限する定め(内規・委任等)は善意の第三者に対抗することができない(349条5項)。

Q「法人株主の代表取締役の内部的権限制限と議決権行使」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q株主総会決議の取消し・無効・不存在の違いは?+

招集手続・決議方法の法令定款違反、決議内容の定款違反、特別利害関係人の著しく不当な議決権行使は取消事由(831条・決議から3か月以内)。決議内容の法令違反は無効事由(830条2項・期間制限なし)。全株主への招集通知漏れなど著しい手続的瑕疵は不存在(830条1項)となる。

Q経営判断原則とは?+

取締役の経営上の判断について、判断の過程(情報収集・分析・検討)と内容に著しく不合理な点がない限り善管注意義務違反とならないとする法理である。①前提となる事実認識に不注意な誤りがないか、②意思決定の過程・内容が著しく不合理でないかを審査する(最判平22.7.15参照)。

Q取締役会の承認がない利益相反取引の効力は?+

取締役会の承認を得ない直接取引は相対的無効であり、会社は善意の第三者に無効を主張できない(最大判昭46.10.13)。間接取引も第三者が関与するのが通常なので同様に相対的無効と解する。取引で会社に損害が生じれば任務懈怠が推定される(423条3項)。