CRIMINAL PROCEDURE
写真・録音テープ等の証拠能力
写真・録音テープ等の証拠能力は、刑事訴訟法(伝聞法則)の論点です。写真・録音テープ・ビデオテープ等は伝聞証拠に当たるか。その証拠能力の判断基準が問題となる。 判例・通説の規範は「写真・録音テープ等は、機械的・自動的に記録されたものであり、供述証拠のように知覚・記憶・表現・叙述の過程で誤りが入る危険が少ないため、原則として非供述証拠として伝聞法則の適用を受け…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成25年・平成29年に問われています。
問題の所在
写真・録音テープ・ビデオテープ等は伝聞証拠に当たるか。その証拠能力の判断基準が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
写真・録音テープ等は、機械的・自動的に記録されたものであり、供述証拠のように知覚・記憶・表現・叙述の過程で誤りが入る危険が少ないため、原則として非供述証拠として伝聞法則の適用を受けない。証拠能力の要件としては、①撮影・録音の正確性(機器の正常な機能)、②改変がないこと(同一性・完全性)が立証されれば足りる。ただし、供述を録音・録画したもの(供述代用書面)については、その供述部分は伝聞証拠に該当しうる。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
写真・録音テープ・ビデオテープ等は伝聞証拠に当たるか。その証拠能力の判断基準が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
COACH'S NOTE
添削メモ(R5刑訴)
実際の受講生答案を添削して分かった、この論点で差がつくポイントです。
通常写真と再現写真の供述性を対比して論じること
写真が問題になる場合、通常の写真(現場・物品の撮影)は機械的記録であり「供述」にあたらず非供述証拠→伝聞法則適用なし、という論証が基本。
これに対し再現写真(被疑者・被害者が犯行状況を再現して撮影)は、再現者が知覚・記憶・表現・叙述の過程を経て再現行為に表しているため、「供述」にあたる。この対比を答案中で明示すること(「通常の写真と異なり…」)。
有料プランで添削メモの全文と、論証集(Word/PDF)のダウンロードが使えます。
あわせて読みたい論点
この論点の前提になる論点や、対になる論点です。
伝聞法則/伝聞法則の意義
伝聞・非伝聞の区別
さらに学びたい人へ(おすすめ教材)
この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。
書籍
伝聞法則に強くなる ↗司法試験の過去問を題材に伝聞法則を分かりやすく解説。
講座
アガルート 重要問題習得講座(重問) ↗信頼できる答案例が付いた網羅的な演習書。解答例を問題提起・理由付け・規範・あてはめ・結論の5色に塗り分けて周回する。憲法・刑法以外の論文の軸。
講座
アガルート 短答知識完成講座Ⅱ(下4法) ↗下4法の短答対策。過去問と判例六法のマーキングをセットで進めるための講座。
講座
アガルート 判例百選スピード攻略講座 ↗百選を問題集として使い、その判例が論文で出たらどう書くかを示す講座。インプットとアウトプットを同時にできる。特に行政法・民訴・会社法・刑訴で効果が大きい。
出題実績と演習
よくある質問
Q写真・録音テープ・ビデオテープ等は伝聞証拠に当たるか。+
写真・録音テープ等は、機械的・自動的に記録されたものであり、供述証拠のように知覚・記憶・表現・叙述の過程で誤りが入る危険が少ないため、原則として非供述証拠として伝聞法則の適用を受けない。証拠能力の要件としては、①撮影・録音の正確性(機器の正常な機能)、②改変がないこと(同一性・完全性)が立証されれば足りる。ただし、供述を録音・録画したもの(供述代用書面)については、その供述部分は伝聞証拠に該当しうる。
Q「写真・録音テープ等の証拠能力」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成25年・平成29年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は最重要ランクです。
Q伝聞証拠と非伝聞の違いは?+
要証事実との関係で判断する。供述内容が真実であることを前提に初めて要証事実の証明に役立つなら伝聞証拠、供述の存在自体が要証事実の証明に役立つなら非伝聞である。脅迫文言や犯行計画メモ、行為の言語的部分が非伝聞の典型例となる。
Q伝聞法則(刑訴法320条1項)の趣旨は?+
供述証拠は知覚・記憶・表現・叙述の各過程で誤りが混入するおそれがあり、反対尋問(憲法37条2項)等による吟味を経ていない供述は正確性の担保がないため、事実認定の基礎とすべきでないという点にある。
Q検察官面前調書(321条1項2号)が証拠になる要件は?+
前段は供述者の死亡・所在不明等による供述不能、後段は公判供述と相反する供述をしたこと+相対的特信情況が必要である。相対的特信情況は供述内容の信用性ではなく、取調べ状況などの外部的付随的事情を比較して判断する。