CRIMINAL PROCEDURE
証言拒絶と321条1項3号の「供述不能」(最大判昭27.4.9・最判昭44.12.4)
証言拒絶と321条1項3号の「供述不能」は、刑事訴訟法(伝聞法則)の論点です。証人が証言を拒絶した場合、321条1項3号の「供述することができない」(供述不能)に当たるか。刑訴法上の証言拒絶権の行使・黙秘権の行使・一般的証言拒絶の場合の区別が問題となる。 判例・通説の規範は「【証言拒絶権の行使(最大判昭27.4.9)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和3年に問われています。
問題の所在
証人が証言を拒絶した場合、321条1項3号の「供述することができない」(供述不能)に当たるか。刑訴法上の証言拒絶権の行使・黙秘権の行使・一般的証言拒絶の場合の区別が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
【証言拒絶権の行使(最大判昭27.4.9)】
証人が刑訴法上の証言拒絶権(149条以下)を行使して証言を拒絶した場合は「供述することができない」に含まれると解される(最大判昭27.4.9)。
【黙秘権を理由とする供述拒絶(最判昭44.12.4)】
被告人が別件公判中に当該別件について証言を求められ黙秘権を行使して証言を拒絶した場合も「供述することができない」に含まれると解される(最判昭44.12.4)。
【一般的証言拒絶(刑訴法の根拠によらず単に拒絶する場合)】
証言拒絶権の規定に基づかず「絶対に証言しない」と述べるにとどまる場合は、法律上証言を強制できる(161条・162条・166条)以上、「供述することができない」には当たらないとも解されうる。もっとも、実際上証言が期待できない状態として「供述不能」に準じる扱いを認める余地があるかが問題となる。
判断においては、①証言拒絶の真摯性・確固たる意思、②拒絶の継続性、③これまでの証言経緯(自己の犯行については証言したが共謀事項のみ拒絶した等)を考慮する。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
証人が証言を拒絶した場合、321条1項3号の「供述することができない」(供述不能)に当たるか。刑訴法上の証言拒絶権の行使・黙秘権の行使・一般的証言拒絶の場合の区別が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q証人が証言を拒絶した場合、321条1項3号の「供述することができない」(供述不能)に当たるか。+
【証言拒絶権の行使(最大判昭27.4.9)】
Q「証言拒絶と321条1項3号の「供述不能」」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は最重要ランクです。
Q伝聞証拠と非伝聞の違いは?+
要証事実との関係で判断する。供述内容が真実であることを前提に初めて要証事実の証明に役立つなら伝聞証拠、供述の存在自体が要証事実の証明に役立つなら非伝聞である。脅迫文言や犯行計画メモ、行為の言語的部分が非伝聞の典型例となる。
Q伝聞法則(刑訴法320条1項)の趣旨は?+
供述証拠は知覚・記憶・表現・叙述の各過程で誤りが混入するおそれがあり、反対尋問(憲法37条2項)等による吟味を経ていない供述は正確性の担保がないため、事実認定の基礎とすべきでないという点にある。
Q検察官面前調書(321条1項2号)が証拠になる要件は?+
前段は供述者の死亡・所在不明等による供述不能、後段は公判供述と相反する供述をしたこと+相対的特信情況が必要である。相対的特信情況は供述内容の信用性ではなく、取調べ状況などの外部的付随的事情を比較して判断する。