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CRIMINAL PROCEDURE

別件逮捕・勾留の違法判断における具体的考慮要素(令和元年)

Aランク(重要)逮捕・勾留出題年度:令和元

別件逮捕・勾留の違法判断における具体的考慮要素は、刑事訴訟法(捜査総論)の論点です。別件(業務上横領)逮捕・勾留の適法性は、別件基準説の枠組みのもとで、専ら本件(強盗致死)の取調べに利用する目的があったかを、いかなる具体的事実から判断すべきか。 判例・通説の規範は「別件逮捕・勾留の違法性判断において、以下の7つの考慮要素を総合評価する。」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和元年に問われています。

問題の所在

別件(業務上横領)逮捕・勾留の適法性は、別件基準説の枠組みのもとで、専ら本件(強盗致死)の取調べに利用する目的があったかを、いかなる具体的事実から判断すべきか。

規範(判例・通説の定式)

別件逮捕・勾留の違法性判断において、以下の7つの考慮要素を総合評価する。

①別件の逮捕・勾留要件の充足:業務上横領の成立に必要な「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(199条1項)および逮捕の必要性(規則143条の3)が充足されているか。→要件が充足されない場合は別件基準説においても当然違法。

②別件自体の重要性:別件(業務上横領)が軽微な犯罪にとどまる場合、逮捕・勾留の手段としての均衡(比例原則)を欠く方向に働く。

③逮捕時の捜査状況:本件(強盗致死)で逮捕するに足る証拠が欠けていたという事情は、本件に関する身柄確保目的を推認させる方向に働く。

④捜査官の主観的意図:捜査機関が本件で逮捕できる証拠が不足していたために別の犯罪を探して逮捕したという内部経緯は、別件逮捕・勾留の違法目的を推認させる最も強力な要素の一つ。

⑤別件と本件との関連性:別件(業務上横領)と本件(強盗致死)が全く別個の事件であれば、別件捜査が本件捜査に資する関連性がなく、本件取調べに身柄を利用していることの間接事実となる。

⑥取調べの比重・状況:別件勾留中の取調べ時間の配分(例:強盗致死に関する取調べ40時間・12日 vs 業務上横領に関する取調べ20時間・7日)→本件取調べが圧倒的に多い場合、本件目的での身柄利用を推認させる重要な客観的指標。

⑦別件の捜査の進行状況:別件(業務上横領)について起訴等の処理が滞っているか、捜査が実質的に進展していないかは、別件捜査が形骸化し身柄を本件取調べに流用していることの徴表。

あてはめのポイント

結論の導き方:①〜⑦を総合評価し、「専ら本件の取調べに利用する目的」(最決平16.7.12)があったといえるかを判断。「専ら」という要件は厳格であり、別件の取調べが一部でも行われていれば直ちに違法とはならないが、本件取調べが支配的な目的であったことが客観的に明らかな場合には令状主義の潜脱として違法となる。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    別件(業務上横領)逮捕・勾留の適法性は、別件基準説の枠組みのもとで、専ら本件(強盗致死)の取調べに利用する目的があったかを、いかなる具体的事実から判断すべきか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q別件(業務上横領)逮捕・勾留の適法性は、別件基準説の枠組みのもとで、専ら本件(強盗致死)の取調べに利用する目的があったかを、いかなる具体的事実から判断すべきか。+

別件逮捕・勾留の違法性判断において、以下の7つの考慮要素を総合評価する。

Q「別件逮捕・勾留の違法判断における具体的考慮要素」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和元年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は重要ランクです。

Q強制処分と任意処分の違いは?+

強制処分は、個人の意思を制圧し身体・住居・財産等に制約を加えるなど、特別の根拠規定がなければ許容できない手段をいう(最決昭51.3.16)。これに当たらない任意処分も、比例原則により必要性・緊急性を考慮して相当と認められる限度で許容される。

Q任意処分の限界はどう判断する?+

捜査比例の原則(197条1項本文)に基づき、①捜査目的達成のための必要性の程度と②対象者の権利・利益への侵害の程度を比較衡量し、③具体的状況のもとで相当と認められるかで判断する。必要性・緊急性は考慮要素、相当性が結論である。

Q所持品検査はどこまで許される?+

所持人の承諾を得て行うのが原則だが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、必要性・緊急性と侵害される法益・保護される公益との権衡を考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度で許容される(最判昭53.6.20)。