CRIMINAL LAW
過失犯の成立要件(予見可能性と結果回避義務)
過失犯の成立要件は、刑法(責任)の論点です。過失犯が成立するための要件はいかなるものか。結果予見可能性と結果回避義務の内容が問題となる。 判例・通説の規範は「過失犯の成立には、新過失論の立場から、①結果予見可能性を前提とした②結果回避義務違反が必要である。結果予見可能性は、結果発生に至る因果経過の基本的部分について、一般人を基準として、…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成23年・平成26年・平成29年・令和元年などに問われています。
問題の所在
過失犯が成立するための要件はいかなるものか。結果予見可能性と結果回避義務の内容が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
過失犯の成立には、新過失論の立場から、①結果予見可能性を前提とした②結果回避義務違反が必要である。結果予見可能性は、結果発生に至る因果経過の基本的部分について、一般人を基準として、具体的な予見可能性があったかどうかにより判断する。結果回避義務は、結果発生を回避するために客観的に要求される注意義務(行為基準)を尽くしたかどうかにより判断する。
あてはめのポイント
信頼の原則:被害者または第三者が適切な行動をとることを信頼するのが相当な場合、それを前提に行動すれば足り、被害者等の不適切な行動まで予見して結果を回避する義務はない。管理・監督過失:組織内の者の過失行為につき、上位者に対する管理・監督上の注意義務違反を問う場合。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
過失犯が成立するための要件はいかなるものか。結果予見可能性と結果回避義務の内容が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
あわせて読みたい論点
この論点の前提になる論点や、対になる論点です。
責任/故意・過失
故意の内容
さらに学びたい人へ(おすすめ教材)
この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。
書籍
基本刑法Ⅰ 総論(日本評論社) ↗因果関係・共犯・錯誤の判断枠組みを判例ベースで整理。総論の規範はまずこれで確認。
講座
アガルート 短答過去問解析講座(憲法・民法・刑法) ↗司法試験・予備試験の全過去問・全選択肢の解説動画。動画で思考過程の誤りに気づけるので、全年度を判例六法にマーキングしながら回す作業を完走できる。
講座
アガルート 論証集の使い方講座 ↗論証集は書き換えず、5色に塗って可視化して使うのが基本。作成者本人が行間を説明する講座で、読みにくい部分の理解が進む。
書籍
判例六法(有斐閣) ↗短答の全過去問で出た条文・判例を全てマーキングし、知っている知識でも引く癖をつける。条文検索速度が上がり、論文・口述にも効く。
出題実績と演習
よくある質問
Q過失犯が成立するための要件はいかなるものか。+
過失犯の成立には、新過失論の立場から、①結果予見可能性を前提とした②結果回避義務違反が必要である。結果予見可能性は、結果発生に至る因果経過の基本的部分について、一般人を基準として、具体的な予見可能性があったかどうかにより判断する。結果回避義務は、結果発生を回避するために客観的に要求される注意義務(行為基準)を尽くしたかどうかにより判断する。
Q「過失犯の成立要件」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成23年・平成26年・平成29年・令和元年・令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。