CRIMINAL LAW
違法性の意識の可能性(38条3項)
違法性の意識の可能性は、刑法(責任)の論点です。行為者が自己の行為の違法性を認識していなかった場合、故意は阻却されるか。違法性の意識の要否が問題となる。 判例・通説の規範は「故意の成立に違法性の意識そのものは不要であるが、違法性の意識の可能性は必要であると解する(制限故意説ないし責任説)。行為者に違法性の意識を持つことが期待できた場合には故意(又は責任…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成26年・令和2年に問われています。
問題の所在
行為者が自己の行為の違法性を認識していなかった場合、故意は阻却されるか。違法性の意識の要否が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
故意の成立に違法性の意識そのものは不要であるが、違法性の意識の可能性は必要であると解する(制限故意説ないし責任説)。行為者に違法性の意識を持つことが期待できた場合には故意(又は責任)が阻却されない。38条3項は「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない」と規定するが、これは違法性の意識の可能性すら欠く場合にまで故意を認める趣旨ではない。
あてはめのポイント
違法性の意識の可能性が問題となる類型:①行政犯規における錯誤、②正当業務行為と信じた場合、③法令の解釈を誤った場合。違法性の意識の可能性が否定される場合→故意が阻却される(制限故意説)又は責任が阻却される(責任説)。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
行為者が自己の行為の違法性を認識していなかった場合、故意は阻却されるか。違法性の意識の要否が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q行為者が自己の行為の違法性を認識していなかった場合、故意は阻却されるか。+
故意の成立に違法性の意識そのものは不要であるが、違法性の意識の可能性は必要であると解する(制限故意説ないし責任説)。行為者に違法性の意識を持つことが期待できた場合には故意(又は責任)が阻却されない。38条3項は「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない」と規定するが、これは違法性の意識の可能性すら欠く場合にまで故意を認める趣旨ではない。
Q「違法性の意識の可能性」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成26年・令和2年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。