CRIMINAL LAW
現住建造物放火罪(108条)の「焼損」
規範(判例・通説の定式)
「焼損」とは、火が媒介物を離れ独立して燃焼を継続しうる状態に達したことをいう(独立燃焼説・判例)。建物の一部が燃焼すれば足り、建物全体が焼失する必要はない。
補足
「刑法110条にいう『公共の危険』とは、同法108条及び109条に規定する建造物等に対する延焼の危険のみならず、不特定又は多数の人の生命、身体又は前記建造物等以外の財産に対する危険も含まれる。」
「建造物等以外放火罪(刑法110条)における『公共の危険』の発生については、行為者においてこれを認識することを必要としない。」
関連判例
最決平15.4.14
最判昭60.3.28
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
本件で現住建造物放火罪の「焼損」が問題となる旨を、条文を引用して1〜2文で提起する。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q「現住建造物放火罪の「焼損」」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成25年・令和元年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q不法領得の意思とは何か?+
権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。
Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+
被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。
Q横領罪と背任罪はどう区別する?+
委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。
Q詐欺罪の実行の着手はいつ認められる?+
現金交付を求める文言を述べる前でも、①交付の判断の前提となる重要な嘘で、②交付要求に直接つながり、③交付の危険性を著しく高めるものであれば、一連の嘘を述べた段階で着手が認められる(最判平30.3.22)。