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CRIMINAL LAW

建造物等以外放火罪(110条)の「公共の危険」の意義と認識の要否

放火罪出題年度:平成25

建造物等以外放火罪の「公共の危険」の意義と認識の要否は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。建造物等以外放火罪(110条)の成立には「公共の危険」の発生が必要であるが、「公共の危険」とは何か。また、行為者が公共の危険の発生を認識していない場合でも同罪は成立するか。 判例・通説の規範は「【「公共の危険」の意義(最決平15.4.14・刑集57巻4号445頁)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成25年に問われています。

問題の所在

建造物等以外放火罪(110条)の成立には「公共の危険」の発生が必要であるが、「公共の危険」とは何か。また、行為者が公共の危険の発生を認識していない場合でも同罪は成立するか。

規範(判例・通説の定式)

【「公共の危険」の意義(最決平15.4.14・刑集57巻4号445頁)】

110条の「公共の危険」とは、108条・109条に規定する建造物等への延焼の危険に限られず、不特定又は多数の人の生命、身体又は建造物等以外の財産に対する危険も含む(最決平15.4.14)。したがって、放火の現場付近に他の車両が複数駐車されており、それらへの延焼の危険がある場合も「公共の危険」に当たりうる。

【「公共の危険」発生の認識の要否(最判昭60.3.28・刑集39巻2号75頁)】

110条は「公共の危険を生じさせた」ことを要件とするが(客観的要件)、行為者に公共の危険の発生についての認識(故意)が必要か。

〔不要説(判例:最判昭60.3.28)〕 110条は公共の危険の発生について行為者の認識を要求しておらず、客観的に公共の危険が発生すれば足りる。行為者が「他の車両に火が燃え移ることはないだろう」と認識していた場合でも、客観的に公共の危険が発生していれば同罪が成立する。

〔必要説〕 故意犯である以上、公共の危険の発生についての認識が必要。ただし、延焼の危険の確定的認識は不要で未必の故意で足りるとする立場もある。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    建造物等以外放火罪(110条)の成立には「公共の危険」の発生が必要であるが、「公共の危険」とは何か。また、行為者が公共の危険の発生を認識していない場合でも同罪は成立するか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q建造物等以外放火罪(110条)の成立には「公共の危険」の発生が必要であるが、「公共の危険」とは何か。+

【「公共の危険」の意義(最決平15.4.14・刑集57巻4号445頁)】

Q「建造物等以外放火罪の「公共の危険」の意義と認識の要否」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成25年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q不法領得の意思とは何か?+

権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。

Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+

被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。

Q横領罪と背任罪はどう区別する?+

委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。