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CRIMINAL LAW

横領物の横領(二重横領・最判平15.4.23)

財産犯出題年度:平成24

横領物の横領は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。既に一度横領行為(例:抵当権設定)を行った者が、同一の不動産についてさらに横領行為(例:売却)を行った場合、二度目の横領について横領罪(業務上横領罪)が成立するか。 判例・通説の規範は「かつての判例は、横領物に対する横領は不可罰的事後行為として横領罪が成立しないとしていた。しかし最判平15.4.23(民集57巻4号467頁)は従来の判例を変更し、横領物の横領(二重…」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成24年に問われています。

問題の所在

既に一度横領行為(例:抵当権設定)を行った者が、同一の不動産についてさらに横領行為(例:売却)を行った場合、二度目の横領について横領罪(業務上横領罪)が成立するか。

規範(判例・通説の定式)

かつての判例は、横領物に対する横領は不可罰的事後行為として横領罪が成立しないとしていた。しかし最判平15.4.23(民集57巻4号467頁)は従来の判例を変更し、横領物の横領(二重横領)についても独立して横領罪が成立すると判示した。

根拠:①第二の処分行為時点でも委託信任関係はなお存続しており、被委託者の地位にある者として財物を占有している。②第一の横領行為によって所有者の権利が完全に消滅するわけではなく(抵当権設定の場合、所有権は留保)、第二の処分は別個の権利侵害を構成する。③法益を異にする複数の侵害行為を一罪として処理することは、独立した法益侵害に対して適切な制裁を課せないことになる。

罪数処理:最判平15.4.23は、同一客体に対する複数の横領行為の罪数処理については明示しなかった。①観念的競合(54条)、②包括一罪、③牽連犯(54条後段)などの見解があり、自己の見解と矛盾なく論じることが求められる。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    既に一度横領行為(例:抵当権設定)を行った者が、同一の不動産についてさらに横領行為(例:売却)を行った場合、二度目の横領について横領罪(業務上横領罪)が成立するか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q既に一度横領行為(例:抵当権設定)を行った者が、同一の不動産についてさらに横領行為(例:売却)を行った場合、二度目の横領について横領罪(業務上横領罪)が成立する+

かつての判例は、横領物に対する横領は不可罰的事後行為として横領罪が成立しないとしていた。しかし最判平15.4.23(民集57巻4号467頁)は従来の判例を変更し、横領物の横領(二重横領)についても独立して横領罪が成立すると判示した。

Q「横領物の横領」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成24年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q不法領得の意思とは何か?+

権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。

Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+

被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。

Q横領罪と背任罪はどう区別する?+

委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。