CRIMINAL LAW
犯罪被害金の払戻請求と詐欺罪(挙動・不作為による欺罔)
犯罪被害金の払戻請求と詐欺罪は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。犯罪行為により口座に振り込まれた金員(犯罪被害金)であることを銀行に告知せず払戻請求をした場合、詐欺罪(246条1項)の「人を欺く行為」(欺罔行為)が認められるか。 判例・通説の規範は「①挙動による欺罔の可能性:払戻請求を行う挙動が、黙示的に「払戻金が犯罪被害金ではない」ことを示すものといえるかを検討する。払戻しを受ける金員が犯罪被害金か否かは、金融機関の職員が払…」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和2年に問われています。
問題の所在
犯罪行為により口座に振り込まれた金員(犯罪被害金)であることを銀行に告知せず払戻請求をした場合、詐欺罪(246条1項)の「人を欺く行為」(欺罔行為)が認められるか。
規範(判例・通説の定式)
①挙動による欺罔の可能性:払戻請求を行う挙動が、黙示的に「払戻金が犯罪被害金ではない」ことを示すものといえるかを検討する。払戻しを受ける金員が犯罪被害金か否かは、金融機関の職員が払戻し許否を判断する重要な事項といえるかが前提問題となる。
②不作為による欺罔の可能性:信義則上、払戻請求する金員が犯罪被害金であることを銀行に告知する義務があるかを検討する。
③行為者が有効な預金債権を取得している点(恐喝によっても銀行に対する有効な預金債権は発生する)を踏まえつつ、欺罔行為の有無を論じる。欺罔行為が認められる場合、詐欺罪の客体は設問1の恐喝罪の被害額との整合性を保つ必要がある。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
犯罪行為により口座に振り込まれた金員(犯罪被害金)であることを銀行に告知せず払戻請求をした場合、詐欺罪(246条1項)の「人を欺く行為」(欺罔行為)が認められるか。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q犯罪行為により口座に振り込まれた金員(犯罪被害金)であることを銀行に告知せず払戻請求をした場合、詐欺罪(246条1項)の「人を欺く行為」(欺罔行為)が認められる+
①挙動による欺罔の可能性:払戻請求を行う挙動が、黙示的に「払戻金が犯罪被害金ではない」ことを示すものといえるかを検討する。払戻しを受ける金員が犯罪被害金か否かは、金融機関の職員が払戻し許否を判断する重要な事項といえるかが前提問題となる。
Q「犯罪被害金の払戻請求と詐欺罪」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
令和2年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q不法領得の意思とは何か?+
権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。
Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+
被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。
Q横領罪と背任罪はどう区別する?+
委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。