オンラインロースクールONLINE LAW SCHOOL

ADMINISTRATIVE LAW

諮問機関の推薦・答申を行政庁が覆す場合の違法性(最判昭50.5.29)

取消訴訟の本案出題年度:令和3

諮問機関の推薦・答申を行政庁が覆す場合の違法性は、行政法(行政救済法)の論点です。行政庁が諮問機関(審議会・委員会等)の答申・推薦と異なる処分をした場合、当該処分は違法となるか。 判例・通説の規範は「最判昭50.5.29(民集29巻5号662頁)は一般論として、行政庁は諮問機関の答申に法的に拘束されるものではないが、特段の合理的な理由がない限り答申に従った処分をすべきとの立場を…」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和3年に問われています。

問題の所在

行政庁が諮問機関(審議会・委員会等)の答申・推薦と異なる処分をした場合、当該処分は違法となるか。

規範(判例・通説の定式)

最判昭50.5.29(民集29巻5号662頁)は一般論として、行政庁は諮問機関の答申に法的に拘束されるものではないが、特段の合理的な理由がない限り答申に従った処分をすべきとの立場を示す。

諮問機関の機能は、①専門的・技術的知見の補充、②公正性・中立性の担保、③手続的正当性の付与にある。したがって、行政庁が諮問機関の推薦を覆す場合には「特段の合理的な理由」が必要であり、以下の事由のみでは足りない。

・行政庁の政策的選好・選挙公約の実現のみ

・根拠を欠く恣意的な評価の変更

覆しが正当化されるのは、①諮問機関の審査過程自体に瑕疵(手続上の問題・法令違反・不合理な考慮要素等)があった場合、②新たな事実・証拠が判明した場合等に限られる。

あてはめのポイント

本問:委員会の申合せ(他人名義営業者への実績加点)が施行規則19条各号の選定基準の解釈として是認できる場合→市長が選挙公約を理由に委員会推薦を覆したことは「特段の合理的な理由」を欠く→本件不選定決定は裁量権の逸脱・濫用として違法。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    行政庁が諮問機関(審議会・委員会等)の答申・推薦と異なる処分をした場合、当該処分は違法となるか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

あわせて読みたい論点

この論点の前提になる論点や、対になる論点です。

さらに学びたい人へ(おすすめ教材)

この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。

出題実績と演習

よくある質問

Q行政庁が諮問機関(審議会・委員会等)の答申・推薦と異なる処分をした場合、当該処分は違法となるか。+

最判昭50.5.29(民集29巻5号662頁)は一般論として、行政庁は諮問機関の答申に法的に拘束されるものではないが、特段の合理的な理由がない限り答申に従った処分をすべきとの立場を示す。

Q「諮問機関の推薦・答申を行政庁が覆す場合の違法性」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q処分性はどう判断する?+

取消訴訟の対象となる処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最判昭39.10.29)。公権力性と直接の法効果性を個別法の仕組みから検討する。

Q原告適格の「法律上の利益を有する者」とは?+

処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう(最判平元.2.17)。第三者については行訴法9条2項により、根拠法令・関連法令の趣旨目的と、害される利益の内容・性質・態様・程度を勘案して判断する。

Q国家賠償法1条1項の「違法」はどう判断する?+

公務員が個別の国民に対して負担する職務上通常尽くすべき注意義務に違反したかで判断する(職務行為基準説・最判昭60.11.21)。規制権限の不行使は、根拠法令の趣旨目的や権限の性質に照らし、不行使が著しく合理性を欠く場合に限り違法となる(最判平16.4.27)。