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競業避止義務の「自己又は第三者のために」の解釈(計算説・名義説)と損害の推定(423条2項)

取締役・取締役会出題年度:平成27

競業避止義務の「自己又は第三者のために」の解釈と損害の推定は、商法(会社法)(機関)の論点です。取締役が第三者の名義で会社の事業と競合する取引を行った場合、「自己又は第三者のために」(356条1項1号)の要件を充足するか。計算説と名義説の対立が問題となる。また競業取引による損害の推定(423条2項)も問題となる。 判例・通説の規範は「【「自己又は第三者のために」の解釈】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成27年に問われています。

問題の所在

取締役が第三者の名義で会社の事業と競合する取引を行った場合、「自己又は第三者のために」(356条1項1号)の要件を充足するか。計算説と名義説の対立が問題となる。また競業取引による損害の推定(423条2項)も問題となる。

規範(判例・通説の定式)

【「自己又は第三者のために」の解釈】

①計算説(通説):当該取引から生じる損益が取締役自身または第三者に帰属する場合(経済的利益の帰属で判断)。取締役が実質的支配者として関与し利益を享受する場合、名義が第三者であっても規制対象となる。

②名義説:当該取引が取締役名義または第三者名義で行われる場合(取引の法律上の当事者で判断)。

【423条2項:損害額の推定】

競業取引をした取締役または第三者が得た利益の額が、会社の受けた損害の額と推定される(423条2項)。計算説・名義説のどちらの立場によるかが「取締役が得た利益」か「第三者が得た利益」かの帰結に影響する。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    取締役が第三者の名義で会社の事業と競合する取引を行った場合、「自己又は第三者のために」(356条1項1号)の要件を充足するか。計算説と名義説の対立が問題となる。また競業取引による損害の推定(423条2項)も問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q取締役が第三者の名義で会社の事業と競合する取引を行った場合、「自己又は第三者のために」(356条1項1号)の要件を充足するか。+

【「自己又は第三者のために」の解釈】

Q「競業避止義務の「自己又は第三者のために」の解釈と損害の推定」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成27年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q株主総会決議の取消し・無効・不存在の違いは?+

招集手続・決議方法の法令定款違反、決議内容の定款違反、特別利害関係人の著しく不当な議決権行使は取消事由(831条・決議から3か月以内)。決議内容の法令違反は無効事由(830条2項・期間制限なし)。全株主への招集通知漏れなど著しい手続的瑕疵は不存在(830条1項)となる。

Q経営判断原則とは?+

取締役の経営上の判断について、判断の過程(情報収集・分析・検討)と内容に著しく不合理な点がない限り善管注意義務違反とならないとする法理である。①前提となる事実認識に不注意な誤りがないか、②意思決定の過程・内容が著しく不合理でないかを審査する(最判平22.7.15参照)。

Q取締役会の承認がない利益相反取引の効力は?+

取締役会の承認を得ない直接取引は相対的無効であり、会社は善意の第三者に無効を主張できない(最大判昭46.10.13)。間接取引も第三者が関与するのが通常なので同様に相対的無効と解する。取引で会社に損害が生じれば任務懈怠が推定される(423条3項)。