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取締役会招集通知欠缺の効力と特別利害関係人への通知欠缺(最三判昭44.12.2)

取締役・取締役会出題年度:平成28

取締役会招集通知欠缺の効力と特別利害関係人への通知欠缺は、商法(会社法)(機関)の論点です。一部の取締役に対する取締役会の招集通知が欠缺した場合、その決議の効力は否定されるか。特に、自己のために取引をしようとする代表取締役(特別利害関係人・369条2項)への招集通知が欠缺した場合が問題となる。 判例・通説の規範は「【原則:招集通知欠缺の効力(最二判昭44.3.28)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成28年に問われています。

問題の所在

一部の取締役に対する取締役会の招集通知が欠缺した場合、その決議の効力は否定されるか。特に、自己のために取引をしようとする代表取締役(特別利害関係人・369条2項)への招集通知が欠缺した場合が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

【原則:招集通知欠缺の効力(最二判昭44.3.28)】

取締役会の招集に際して一部の取締役への通知を欠いた場合、その取締役会の決議は原則として無効となる(最二判昭44.3.28)。ただし、その取締役が出席しても決議の結果に影響を及ぼさないと認められる特段の事情がある場合には、例外的に決議は有効となる。

【特別利害関係人である代表取締役への通知欠缺(最三判昭44.12.2)】

代表取締役が自己のためになす取引等で特別利害関係人(369条2項)に当たる場合、当該代表取締役は議決に加わることができない。このとき、特別利害関係を有する代表取締役への招集通知が欠缺した場合でも、他の取締役全員に招集通知がなされ、かつその全員が取締役会に出席しているときは、通知欠缺は決議の効力に影響を与えないと解すべきである(最三判昭44.12.2)。

【理由】

特別利害関係人は議決権を行使できないのだから(369条2項)、その者への通知欠缺は「出席しても決議の結果に影響を及ぼさないと認められる特段の事情」に当たり、決議は有効に成立する。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    一部の取締役に対する取締役会の招集通知が欠缺した場合、その決議の効力は否定されるか。特に、自己のために取引をしようとする代表取締役(特別利害関係人・369条2項)への招集通知が欠缺した場合が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q一部の取締役に対する取締役会の招集通知が欠缺した場合、その決議の効力は否定されるか。+

【原則:招集通知欠缺の効力(最二判昭44.3.28)】

Q「取締役会招集通知欠缺の効力と特別利害関係人への通知欠缺」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

平成28年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q株主総会決議の取消し・無効・不存在の違いは?+

招集手続・決議方法の法令定款違反、決議内容の定款違反、特別利害関係人の著しく不当な議決権行使は取消事由(831条・決議から3か月以内)。決議内容の法令違反は無効事由(830条2項・期間制限なし)。全株主への招集通知漏れなど著しい手続的瑕疵は不存在(830条1項)となる。

Q経営判断原則とは?+

取締役の経営上の判断について、判断の過程(情報収集・分析・検討)と内容に著しく不合理な点がない限り善管注意義務違反とならないとする法理である。①前提となる事実認識に不注意な誤りがないか、②意思決定の過程・内容が著しく不合理でないかを審査する(最判平22.7.15参照)。

Q取締役会の承認がない利益相反取引の効力は?+

取締役会の承認を得ない直接取引は相対的無効であり、会社は善意の第三者に無効を主張できない(最大判昭46.10.13)。間接取引も第三者が関与するのが通常なので同様に相対的無効と解する。取引で会社に損害が生じれば任務懈怠が推定される(423条3項)。