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取締役の任期短縮定款変更と339条2項の類推適用

取締役・取締役会出題年度:令和4

取締役の任期短縮定款変更と339条2項の類推適用は、商法(会社法)(機関)の論点です。取締役の任期を短縮する定款変更がされることにより取締役の任期が満了し、その後の株主総会で選任議案が否決されて取締役の地位を失った場合、正当な理由のない解任として339条2項の損害賠償請求が認められるか。 判例・通説の規範は「339条2項の趣旨:委任契約において受任者の任期について合理的な信頼・期待が形成される場合、正当な理由のない解任はその信頼を裏切るものとして損害賠償責任を生じさせる。」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和4年に問われています。

問題の所在

取締役の任期を短縮する定款変更がされることにより取締役の任期が満了し、その後の株主総会で選任議案が否決されて取締役の地位を失った場合、正当な理由のない解任として339条2項の損害賠償請求が認められるか。

規範(判例・通説の定式)

339条2項の趣旨:委任契約において受任者の任期について合理的な信頼・期待が形成される場合、正当な理由のない解任はその信頼を裏切るものとして損害賠償責任を生じさせる。

取締役の任期短縮定款変更の効果:定款変更が効力を生じた時点で在任中の取締役の任期も短縮されると解され、短縮後の任期が既に経過しているときはその時点で任期が満了する。これは「解任」ではなく「任期満了退任」である。

類推適用の可否:任期短縮定款変更+選任議案否決という一連の行為が、実質的に解任と同一の効果を生じさせる場合には、339条2項の類推適用を検討しうる。正当な理由(経営方針の対立、任期短縮の実質的理由等)の有無は、通常の解任の場合と同様に判断する(最判昭57.1.21参照)。

あてはめのポイント

損害の範囲:①変更前の定款に定められた任期満了までの報酬相当額(任期満了への信頼が保護される場合)、又は②慣例的任期(乙社出身者4年)満了までの報酬相当額(慣行への信頼が保護される場合)を検討する。類推適用の対象(定款変更か選任否決か)によって損害の範囲が変わることに注意。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    取締役の任期を短縮する定款変更がされることにより取締役の任期が満了し、その後の株主総会で選任議案が否決されて取締役の地位を失った場合、正当な理由のない解任として339条2項の損害賠償請求が認められるか。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q取締役の任期を短縮する定款変更がされることにより取締役の任期が満了し、その後の株主総会で選任議案が否決されて取締役の地位を失った場合、正当な理由のない解任として+

339条2項の趣旨:委任契約において受任者の任期について合理的な信頼・期待が形成される場合、正当な理由のない解任はその信頼を裏切るものとして損害賠償責任を生じさせる。

Q「取締役の任期短縮定款変更と339条2項の類推適用」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和4年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q株主総会決議の取消し・無効・不存在の違いは?+

招集手続・決議方法の法令定款違反、決議内容の定款違反、特別利害関係人の著しく不当な議決権行使は取消事由(831条・決議から3か月以内)。決議内容の法令違反は無効事由(830条2項・期間制限なし)。全株主への招集通知漏れなど著しい手続的瑕疵は不存在(830条1項)となる。

Q経営判断原則とは?+

取締役の経営上の判断について、判断の過程(情報収集・分析・検討)と内容に著しく不合理な点がない限り善管注意義務違反とならないとする法理である。①前提となる事実認識に不注意な誤りがないか、②意思決定の過程・内容が著しく不合理でないかを審査する(最判平22.7.15参照)。

Q取締役会の承認がない利益相反取引の効力は?+

取締役会の承認を得ない直接取引は相対的無効であり、会社は善意の第三者に無効を主張できない(最大判昭46.10.13)。間接取引も第三者が関与するのが通常なので同様に相対的無効と解する。取引で会社に損害が生じれば任務懈怠が推定される(423条3項)。