CIVIL LAW
付合(242条)と不当利得・償金請求(248条)
付合と不当利得・償金請求は、民法(物権)の論点です。動産が不動産に密接に結合して分離不能となった場合(付合)、その動産の所有権はいかになるか。付合の効果(242条)と、所有権を失った者の償金請求(248条)が問題となる。 判例・通説の規範は「【付合(242条)の効果】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成27年に問われています。
問題の所在
動産が不動産に密接に結合して分離不能となった場合(付合)、その動産の所有権はいかになるか。付合の効果(242条)と、所有権を失った者の償金請求(248条)が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
【付合(242条)の効果】
不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する(242条本文)。「付合」とは、動産が不動産に密接に結合して社会取引上容易に分離しえない状態になることをいう。権原(賃借権等)に基づいて付属させた場合は例外(242条但書)。
【不当利得・償金請求(248条)】
付合により所有権を失った者は、703条・704条の規定(不当利得)に従い、所有権を取得した者に対して償金を請求できる(248条)。受益者が善意かつ悪意転化前に費用を支払っていた場合は利益消滅(703条)を主張しうる余地がある。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
動産が不動産に密接に結合して分離不能となった場合(付合)、その動産の所有権はいかになるか。付合の効果(242条)と、所有権を失った者の償金請求(248条)が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q動産が不動産に密接に結合して分離不能となった場合(付合)、その動産の所有権はいかになるか。+
【付合(242条)の効果】
Q「付合と不当利得・償金請求」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成27年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q177条の第三者とは誰のこと?+
当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいう(最判昭25.12.19)。不法占拠者や無権利者は含まれず、物権変動を知りながら登記の欠缺を主張することが信義に反する背信的悪意者も含まれない(最判昭43.8.2)。
Q占有改定で即時取得は成立する?+
成立しない。即時取得は占有の外観を信頼した者を保護する制度であり、占有改定では外観上の変化がないため「占有を始めた」(192条)に当たらない(最判昭35.2.11)。指図による占有移転も同様で、現実の引渡しが必要である。
Q抵当権者は賃料債権に物上代位できる?+
できる(最大決平元.10.27)。ただし払渡し前に差押えが必要である(304条1項但書)。転貸賃料債権には原則として物上代位できないが、賃借人を所有者と同視できる場合は例外的に認められる(最決平12.4.14)。