CRIMINAL PROCEDURE
328条の証明力を回復する証拠(回復証拠)(平成29年)
328条の証明力を回復する証拠は、刑事訴訟法(伝聞法則)の論点です。弾劾証拠(自己矛盾供述)により公判供述の証明力が一旦減殺された場合、328条の「証明力を争うための証拠」として、減殺された証明力を回復させる証拠(回復証拠)の提出が許されるか。最高裁判例はなく、解釈問題となる。 判例・通説の規範は「【積極説(回復証拠許容)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成29年に問われています。
問題の所在
弾劾証拠(自己矛盾供述)により公判供述の証明力が一旦減殺された場合、328条の「証明力を争うための証拠」として、減殺された証明力を回復させる証拠(回復証拠)の提出が許されるか。最高裁判例はなく、解釈問題となる。
規範(判例・通説の定式)
【積極説(回復証拠許容)】
328条の「証明力を争うための証拠」には、証明力を攻撃(弾劾)するだけでなく、一旦減殺された証明力を回復させる証拠も含まれると解する。弾劾を許しながら回復を禁ずるのは手続的均衡を欠く。ただし、回復証拠も自己矛盾供述に限られると解すべきである(328条の趣旨・最判平18.11.7の趣旨から)。すなわち、公判供述と内容が一致する従前の供述(自己一致供述)を回復証拠として提出することが許される。
【消極説(回復証拠不許容)】
「証明力を争う」とは証明力を攻撃・減殺することを意味し、概念的に「回復」とは異なる。回復証拠を許容すると弾劾→回復の応酬が繰り返され、実質的に伝聞証拠が無限に流入する危険がある。
あてはめのポイント
積極説が有力。あてはめ:弾劾証拠(甲供述の自己矛盾供述)が採用された→甲の公判証言(と一致する内容)の回復証拠(自己一致供述書)を提出→328条による許容範囲内で回復証拠として取り調べ可能(積極説)。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
弾劾証拠(自己矛盾供述)により公判供述の証明力が一旦減殺された場合、328条の「証明力を争うための証拠」として、減殺された証明力を回復させる証拠(回復証拠)の提出が許されるか。最高裁判例はなく、解釈問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q弾劾証拠(自己矛盾供述)により公判供述の証明力が一旦減殺された場合、328条の「証明力を争うための証拠」として、減殺された証明力を回復させる証拠(回復証拠)の提+
【積極説(回復証拠許容)】
Q「328条の証明力を回復する証拠」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成29年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は重要ランクです。
Q伝聞証拠と非伝聞の違いは?+
要証事実との関係で判断する。供述内容が真実であることを前提に初めて要証事実の証明に役立つなら伝聞証拠、供述の存在自体が要証事実の証明に役立つなら非伝聞である。脅迫文言や犯行計画メモ、行為の言語的部分が非伝聞の典型例となる。
Q伝聞法則(刑訴法320条1項)の趣旨は?+
供述証拠は知覚・記憶・表現・叙述の各過程で誤りが混入するおそれがあり、反対尋問(憲法37条2項)等による吟味を経ていない供述は正確性の担保がないため、事実認定の基礎とすべきでないという点にある。
Q検察官面前調書(321条1項2号)が証拠になる要件は?+
前段は供述者の死亡・所在不明等による供述不能、後段は公判供述と相反する供述をしたこと+相対的特信情況が必要である。相対的特信情況は供述内容の信用性ではなく、取調べ状況などの外部的付随的事情を比較して判断する。