CRIMINAL LAW
法人・団体名義文書の作成名義人(最決昭45.9.4・最決平15.10.6)
法人・団体名義文書の作成名義人は、刑法(各論(頻出論点))の論点です。株主総会議事録・社員総会議事録等の法人・団体名義の文書を偽造した場合、私文書偽造罪の作成名義人は誰か。法人・団体の意思を表示する文書について名義人の特定基準が問題となる。 判例・通説の規範は「【法人・団体の意思表示文書における名義人(最決昭45.9.4)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成24年に問われています。
問題の所在
株主総会議事録・社員総会議事録等の法人・団体名義の文書を偽造した場合、私文書偽造罪の作成名義人は誰か。法人・団体の意思を表示する文書について名義人の特定基準が問題となる。
規範(判例・通説の定式)
【法人・団体の意思表示文書における名義人(最決昭45.9.4)】
会議体(株主総会・社員総会等)の決議内容を記載した議事録は、その会議体の意思・観念を表示する文書である。したがって、社員総会議事録と題する文書の作成名義人は社員総会(会議体)である(最決昭45.9.4)。
→実際に社員総会が開催されていないにもかかわらず、開催されたかのように記載した議事録を作成した場合→社員総会の意思表示を偽ったものとして有形偽造に当たる。
【作成権限者名義の文書と解する見解(最決平15.10.6の考え方)】
議事録作成権限が特定の者(例:甲)に付与されている場合、作成名義人を当該権限者(甲)と解する余地もある(最決平15.10.6参照)。この場合、甲が実際には総会を開催せずに議事録を作成しても、名義人(甲)と作成者(甲)が同一であるため有形偽造に当たらないとも解しうる(ただし無形偽造・虚偽文書作成に当たりうる)。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
株主総会議事録・社員総会議事録等の法人・団体名義の文書を偽造した場合、私文書偽造罪の作成名義人は誰か。法人・団体の意思を表示する文書について名義人の特定基準が問題となる。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
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出題実績と演習
よくある質問
Q株主総会議事録・社員総会議事録等の法人・団体名義の文書を偽造した場合、私文書偽造罪の作成名義人は誰か。+
【法人・団体の意思表示文書における名義人(最決昭45.9.4)】
Q「法人・団体名義文書の作成名義人」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成24年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q不法領得の意思とは何か?+
権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用し又は処分する意思をいう(最判昭26.7.13)。①権利者排除意思で使用窃盗と区別し、②利用処分意思で毀棄罪と区別する。嫌がらせ目的の隠匿は利用処分意思を欠き器物損壊罪の問題となる。
Q詐欺罪と窃盗罪はどう区別する?+
被害者の錯誤に基づく任意の処分行為(財物の交付)が介在すれば詐欺罪、占有者の意思に反して占有を取得すれば窃盗罪である。被害者が一時的に席を外しただけで占有の終局的移転の認識(処分意思)がない場合は、占有の弛緩にすぎず窃盗罪となる。
Q横領罪と背任罪はどう区別する?+
委託の趣旨に反して財物を自己の物として処分する行為(不法領得の意思の発現)であれば横領罪、委託関係に違背して本人に財産的損害を与える行為であれば背任罪である。名義と実質の両面で自己の計算で処分したか否かが基準となる。