短答演習 / 刑法
刑法 令和5年
1 / 5司法 第19問 ・ 背任罪
【判旨】刑法第247条にいう「本人に財産上の損害を加えたとき」とは、経済的見地において本人の財産状態を評価し、被告人の行為によって、本人の財産の価値が減少したとき又は増加すべかりし価値が増加しなかったときをいうと解すべきであるところ、信用保証協会A支所長の被告人が同協会をして返済能力のないBの債務を保証させたときは、同債務がいまだ不履行の段階に至らず、したがって同協会の財産に、代位弁済による現実の損失がいまだ生じていないとしても、経済的見地においては、同協会の財産的価値は減少したものと評価されるから、同条にいう「本人に財産上の損害を加えたとき」に当たるというべきである。
1【判旨】は、保証債務の負担を「財産上の損害」とし、背任罪を本人の全体財産に対する罪であることを否定している。