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CIVIL LAW

保証人による主債務者の相殺権援用(457条3項)と時効消滅した債権による相殺(最判平25.2.28)

時効出題年度:令和3

保証人による主債務者の相殺権援用と時効消滅した債権による相殺は、民法(総則)の論点です。①保証人は、主債務者が債権者に対して有する相殺権を援用して保証債務の履行を拒むことができるか(457条3項)。②時効によって消滅した債権を自働債権として相殺するためには何が必要か。 判例・通説の規範は「①保証人による主債務者の相殺権援用(457条3項)」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和3年に問われています。

問題の所在

①保証人は、主債務者が債権者に対して有する相殺権を援用して保証債務の履行を拒むことができるか(457条3項)。②時効によって消滅した債権を自働債権として相殺するためには何が必要か。

規範(判例・通説の定式)

①保証人による主債務者の相殺権援用(457条3項)

保証人は主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる(457条3項)。主債務者の相殺権もこれに含まれるため、保証人は主債務者が有する相殺権を行使して保証債務の履行を拒むことができる。

②時効消滅した債権を自働債権とする相殺(最判平25.2.28)

時効によって消滅した債権を自働債権として相殺するためには、自働債権の消滅時効期間経過以前に受働債権と相殺適状にあったことが必要であり、そのためには受働債権の弁済期が現実に到来していたことを要する(最判平25.2.28・民集67巻2号343頁)。

理由:相殺適状(505条1項:双方の債務が弁済期にあること)が生じていた場合に限り、時効消滅前に相殺の機会があったとして相殺者の正当な期待を保護する。弁済期未到来の段階では相殺適状がなく、その後に一方が時効消滅しても相殺は認められない。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    ①保証人は、主債務者が債権者に対して有する相殺権を援用して保証債務の履行を拒むことができるか(457条3項)。②時効によって消滅した債権を自働債権として相殺するためには何が必要か。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

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出題実績と演習

よくある質問

Q①保証人は、主債務者が債権者に対して有する相殺権を援用して保証債務の履行を拒むことができるか(457条3項)。+

①保証人による主債務者の相殺権援用(457条3項)

Q「保証人による主債務者の相殺権援用と時効消滅した債権による相殺」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。

Q94条2項類推適用の要件は?+

①虚偽の外観(不実の登記等)の存在、②真の権利者の帰責性、③第三者の信頼が必要である。真の権利者が外観作出に積極的に関与した場合は善意で足り、知らなかったが帰責性がある場合は110条も併せて類推し善意無過失を要求する(最判平18.2.23)。

Q動機の錯誤で取消しが認められる要件は?+

法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反し、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと(95条2項)に加え、錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であること(95条1項)が必要である。表意者に重過失があると原則取消しできない。

Q無権代理人が本人を相続したらどうなる?+

無権代理人が本人を単独相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様の状態が生じ無権代理行為は当然に有効となる(最判昭40.6.18)。逆に本人が無権代理人を相続した場合は追認拒絶が信義則に反せず、共同相続では他の共同相続人全員の追認が必要である。