CIVIL LAW
保証契約の書面性(446条2項)と無権代理追認による成立
保証契約の書面性と無権代理追認による成立は、民法(総則)の論点です。無権代理人が保証人の代理人として保証契約書に署名した場合、後に本人(保証人)の追認があっても、446条2項の「書面による」という要式性を充足するか。 判例・通説の規範は「【446条2項の趣旨】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成25年に問われています。
問題の所在
無権代理人が保証人の代理人として保証契約書に署名した場合、後に本人(保証人)の追認があっても、446条2項の「書面による」という要式性を充足するか。
規範(判例・通説の定式)
【446条2項の趣旨】
保証契約は書面でしなければその効力を生じない(446条2項)。趣旨:①保証意思の明確な確認(慎重さの確保)、②保証契約の内容の明確化。
【無権代理追認と書面性の関係】
無権代理人が作成した書面についても、後に本人の追認(116条)があれば書面性の要件を充足するか。
〔肯定説〕 書面の作成という要件は、書面が作成されたという事実があれば充足され、誰が書面を作成したかを問わない。追認(116条)により契約の効果が本人に帰属する以上、書面による確認・慎重さの要請は追認の時点で充足されうる。
〔否定説〕 446条2項の趣旨は、保証人自らが書面を作成する過程で保証意思を再確認させることにある。無権代理人が作成した書面は、本人の主体的な書面作成行為を欠くため、要式性を充足しない。追認は契約成立後の意思表示であり、書面作成行為の代替とはならない。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
無権代理人が保証人の代理人として保証契約書に署名した場合、後に本人(保証人)の追認があっても、446条2項の「書面による」という要式性を充足するか。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。
あわせて読みたい論点
この論点の前提になる論点や、対になる論点です。
総則/代理
表見代理
さらに学びたい人へ(おすすめ教材)
この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。
講座
アガルート 重要問題習得講座(重問) ↗信頼できる答案例が付いた網羅的な演習書。解答例を問題提起・理由付け・規範・あてはめ・結論の5色に塗り分けて周回する。憲法・刑法以外の論文の軸。
講座
アガルート 短答過去問解析講座(憲法・民法・刑法) ↗司法試験・予備試験の全過去問・全選択肢の解説動画。動画で思考過程の誤りに気づけるので、全年度を判例六法にマーキングしながら回す作業を完走できる。
講座
アガルート 論証集の使い方講座 ↗論証集は書き換えず、5色に塗って可視化して使うのが基本。作成者本人が行間を説明する講座で、読みにくい部分の理解が進む。
書籍
判例六法(有斐閣) ↗短答の全過去問で出た条文・判例を全てマーキングし、知っている知識でも引く癖をつける。条文検索速度が上がり、論文・口述にも効く。
出題実績と演習
よくある質問
Q無権代理人が保証人の代理人として保証契約書に署名した場合、後に本人(保証人)の追認があっても、446条2項の「書面による」という要式性を充足するか。+
【446条2項の趣旨】
Q「保証契約の書面性と無権代理追認による成立」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成25年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q94条2項類推適用の要件は?+
①虚偽の外観(不実の登記等)の存在、②真の権利者の帰責性、③第三者の信頼が必要である。真の権利者が外観作出に積極的に関与した場合は善意で足り、知らなかったが帰責性がある場合は110条も併せて類推し善意無過失を要求する(最判平18.2.23)。
Q動機の錯誤で取消しが認められる要件は?+
法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反し、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと(95条2項)に加え、錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であること(95条1項)が必要である。表意者に重過失があると原則取消しできない。
Q無権代理人が本人を相続したらどうなる?+
無権代理人が本人を単独相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様の状態が生じ無権代理行為は当然に有効となる(最判昭40.6.18)。逆に本人が無権代理人を相続した場合は追認拒絶が信義則に反せず、共同相続では他の共同相続人全員の追認が必要である。