CIVIL LAW
主債務者の承認による時効更新と保証債務への効力(457条1項・152条)
主債務者の承認による時効更新と保証債務への効力は、民法(総則)の論点です。主債務者が債務を承認し(152条1項)時効が更新された場合、保証人の保証債務についても時効更新の効力が及ぶか。また、保証人が主債務の消滅時効を援用しようとする場合はどうか。 判例・通説の規範は「【主債務者の承認→保証債務の時効更新(457条1項)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和3年に問われています。
問題の所在
主債務者が債務を承認し(152条1項)時効が更新された場合、保証人の保証債務についても時効更新の効力が及ぶか。また、保証人が主債務の消滅時効を援用しようとする場合はどうか。
規範(判例・通説の定式)
【主債務者の承認→保証債務の時効更新(457条1項)】
主たる債務者に対して生じた事由は保証人に対してもその効力を生ずる(457条1項)。したがって、主債務者の承認(152条1項)による時効更新は保証人の保証債務の時効にも及ぶ。主債務者が承認した以上、保証人は保証債務の消滅時効を援用することができない。
【保証人による主債務の消滅時効援用】
保証人は主債務の消滅時効を援用できる(145条括弧書:「当事者(保証人を含む)」)。しかし、主債務者が承認して主債務の消滅時効が更新された以上、保証人がそれ以前の時効消滅を援用することもできない。
【逆(保証人の承認→主債務への効力なし)】
保証人による承認は主債務の消滅時効を更新しない。457条1項は主債務者に生じた事由が保証人に及ぶことを定めるにとどまり、逆方向には及ばない。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
主債務者が債務を承認し(152条1項)時効が更新された場合、保証人の保証債務についても時効更新の効力が及ぶか。また、保証人が主債務の消滅時効を援用しようとする場合はどうか。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q主債務者が債務を承認し(152条1項)時効が更新された場合、保証人の保証債務についても時効更新の効力が及ぶか。+
【主債務者の承認→保証債務の時効更新(457条1項)】
Q「主債務者の承認による時効更新と保証債務への効力」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
令和3年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。
Q94条2項類推適用の要件は?+
①虚偽の外観(不実の登記等)の存在、②真の権利者の帰責性、③第三者の信頼が必要である。真の権利者が外観作出に積極的に関与した場合は善意で足り、知らなかったが帰責性がある場合は110条も併せて類推し善意無過失を要求する(最判平18.2.23)。
Q動機の錯誤で取消しが認められる要件は?+
法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反し、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと(95条2項)に加え、錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であること(95条1項)が必要である。表意者に重過失があると原則取消しできない。
Q無権代理人が本人を相続したらどうなる?+
無権代理人が本人を単独相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様の状態が生じ無権代理行為は当然に有効となる(最判昭40.6.18)。逆に本人が無権代理人を相続した場合は追認拒絶が信義則に反せず、共同相続では他の共同相続人全員の追認が必要である。