オンラインロースクールONLINE LAW SCHOOL

CORPORATE LAW

少数株主招集請求(297条)と株主提案権(303条・305条)の比較(令和元年)

総論出題年度:令和元

少数株主招集請求と株主提案権の比較は、商法(会社法)(手形・小切手(参考))の論点です。少数株主が自らの議題を株主総会で決議させるためのルートとして、①臨時株主総会招集請求(297条)と②株主提案権(303条・305条)がある。両者の要件・効果の比較が問題となる。 判例・通説の規範は「【少数株主による招集請求(297条)】」とされ、予備試験・司法試験の論文では令和元年に問われています。

問題の所在

少数株主が自らの議題を株主総会で決議させるためのルートとして、①臨時株主総会招集請求(297条)と②株主提案権(303条・305条)がある。両者の要件・効果の比較が問題となる。

規範(判例・通説の定式)

【少数株主による招集請求(297条)】

要件:総株主の議決権の100分の3以上(定款で引下げ可)を6か月前から引き続き有する株主(297条1項;非公開会社は保有期間不要)。

手続:取締役に招集請求→請求から8週間以内の日を会日とする総会招集通知が発せられないとき→裁判所の許可を得て自ら招集(297条4項)。

招集請求の優位性:

① 議事運営の主導権:自ら招集するため、招集株主が議長を務める等、議事進行を主導しうる(315条参照)。

② 時期の選択:定時総会を待たず任意の時期に開催できる(定時総会間の緊急事項にも対応可)。

③ 費用負担:招集に要する費用は会社が負担するのが原則(ただし、裁判所への許可申請費用等は株主負担となりうる)。

【株主提案権(303条・305条)】

要件:総株主の議決権の100分の1以上又は300個以上を6か月前から引き続き有する株主(303条2項;非公開会社は保有期間不要)。

効果:既に招集が決まった総会の目的事項(議題)に自己の提案を追加(303条)し、招集通知に議案の要領を記載させる(305条;提案議案数は10を超えることができない(305条4項))。

株主提案権の劣位:

① 議事運営の主導権なし:取締役(代表取締役)が招集・議長を務めるため、議事運営を主導できない。

② 時期の選択の制約:既存の定時・臨時総会の機会に依存し、開催時期を取締役が決定する。

③ 費用負担なし:会社の招集費用に組み込まれるため、株主の個別費用負担は生じない。

【比較まとめ(令和元年出題趣旨指摘の3視点)】

| 比較視点 | 招集請求(297条) | 株主提案権(303条・305条) |

|----------|-----------------|------------------------|

| 議事運営の主導権 | ○(招集株主が主導) | ✗(取締役が主導) |

| 費用負担 | 原則会社負担 | 会社負担(株主負担なし) |

| 時期の選択 | ○(任意の時期を選べる) | ✗(取締役決定の総会に依存) |

補足

出典・著作権について

本論証集における判例の引用は、最高裁判所・各裁判所の公開判決文を出典とします。出題の趣旨の引用は、法務省公表文書を出所明示のうえ著作権法32条1項の引用の範囲内で使用しています。本論証集の表現・構成は独自のものであり、既存の予備校テキスト等からの転用は行っていません。

答案での書き方(法的三段論法)

  1. 1

    問題提起

    少数株主が自らの議題を株主総会で決議させるためのルートとして、①臨時株主総会招集請求(297条)と②株主提案権(303条・305条)がある。両者の要件・効果の比較が問題となる。

  2. 2

    規範

    上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。

  3. 3

    あてはめ

    問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。

  4. 4

    結論

    「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。

自分の答案がこの4要素に分解できているかは、AI答案添削で色分けして確認できます。

あわせて読みたい論点

この論点の前提になる論点や、対になる論点です。

さらに学びたい人へ(おすすめ教材)

この論点の理解を深める教材です。リンクにはアフィリエイトリンクを含みます(価格は変わりません)。

出題実績と演習

よくある質問

Q少数株主が自らの議題を株主総会で決議させるためのルートとして、①臨時株主総会招集請求(297条)と②株主提案権(303条・305条)がある。+

【少数株主による招集請求(297条)】

Q「少数株主招集請求と株主提案権の比較」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+

令和元年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。