CRIMINAL LAW
未成年者略取罪(224条)の親権者主体性(最決平17.12.6)
未成年者略取罪の親権者主体性は、刑法(罪数)の論点です。未成年の子に対して親権を有する者(親権者)が、当該子を連れ去った場合、未成年者略取罪(224条)の主体となりうるか。また、違法性は阻却されるか。 判例・通説の規範は「【保護法益と「略取」の意義】」とされ、予備試験・司法試験の論文では平成26年に問われています。
問題の所在
未成年の子に対して親権を有する者(親権者)が、当該子を連れ去った場合、未成年者略取罪(224条)の主体となりうるか。また、違法性は阻却されるか。
規範(判例・通説の定式)
【保護法益と「略取」の意義】
未成年者略取罪(224条)の保護法益は、①未成年者の生活の安全・自由(未成年者本人の法益)と、②現に監護している者の監護権(監護者の法益)の双方であると解される。「略取」とは、暴行・脅迫又はその他の手段を用いて、他人の実力的支配下から離脱させ、自己又は第三者の実力的支配内に移すことをいう(「誘拐」は欺罔・誘惑による手段)。
【親権者の主体性(最決平17.12.6・刑集59巻10号1901頁)】
共同親権者の一方が、他方の監護下にある子を、他方の意思及び子の意思に反して連れ去った場合、当該親権者も未成年者略取罪の主体となりうる(最決平17.12.6)。根拠:①監護者の監護権が保護法益であれば、親権者であっても監護者の実力的支配を侵害する行為は「略取」に当たる;②親権の有無は未成年者略取罪の成否に影響しない。
【違法性阻却の検討】
親権者による行為であっても正当行為(35条・社会的相当性)や緊急避難(37条)による違法性阻却が問題となる。子の安全確保等の正当な目的があっても、それが社会通念上相当と認められる手段の範囲を逸脱する場合は違法性は阻却されない。
答案での書き方(法的三段論法)
- 1
問題提起
未成年の子に対して親権を有する者(親権者)が、当該子を連れ去った場合、未成年者略取罪(224条)の主体となりうるか。また、違法性は阻却されるか。
- 2
規範
上の「規範」の定式を、判例名・条文とセットでそのまま書く。要件が複数ある場合は①②③と番号を振る。
- 3
あてはめ
問題文の事情を要件ごとに引用し、「〜という事情は…を意味するから、要件○を満たす」と評価を加える。数字・なお書き・当事者の具体的行動は必ず拾う。
- 4
結論
「したがって/よって」で要件充足と結論(成立・不成立、適法・違法、合憲・違憲)を一文で締める。
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出題実績と演習
よくある質問
Q未成年の子に対して親権を有する者(親権者)が、当該子を連れ去った場合、未成年者略取罪(224条)の主体となりうるか。+
【保護法益と「略取」の意義】
Q「未成年者略取罪の親権者主体性」は予備試験・司法試験で出題されていますか?+
平成26年の論文式試験で出題(または関連出題)されています。頻出度は標準ランクです。